「これまでに、世界7カ所で計60回程度ヒアリに刺されましたが、危険なアレルギー症状が出たのは2回。台湾で刺されたときは、軽いアナフィラキシーショックが出ました。震え、吐き気、動悸、めまいがして、目のピントが合わなくなる視野異常が生じましたが……、2時間ぐらい横になっていたら、よくなりました」
5月26日以降、立て続けに発見され、世間を震え上がらせている外来種の毒アリ、「ヒアリ」。国内研究の第一人者である、九州大学「持続可能な社会のための決断科学センター」の村上貴弘准教授(46)は、ヒアリに刺された回数で“世界トップレベルの男”である。
村上准教授はヒアリと対峙した豊富な経験から、対策を提言する。
「まず、刺されても手で払うのはよくない。蜂のように1回刺したら終わりではなく、大きなもので5回程度、小さなものだと7回程度刺してきます。タオルなどで叩いて落とすほうがいい。刺された部分は水で洗ってください」
村上准教授も襲われたように、アレルギーの一種であるアナフィラキシーショックが起きると、最悪の場合は死に至るので油断は禁物。ただ、ヒアリに刺されて死に至る確率は0.001%程度だと村上准教授はいう。
「報道が過剰で騒ぎすぎです。今のところは発見後すぐに処分されており、水際で防げています。ただし、今までは工業施設や港湾内での発見でしたが、もし一般人の生活圏内にくれば、半年から一年で定着する可能性もあります。早急に研究者と国が協力して外来ルートを解明すべきです。喉元過ぎて忘れる、だと困るなあ」
(週刊FLASH 2017年8月1日号)