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「メンソール煙草で勃たない」は真実だった! 泌尿器科専門医が勃起&EDにまつわる怪しい俗説を徹底検証
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.10 20:00 最終更新日:2023.03.10 20:00
デリケートなテーマゆえに、真偽不明の怪情報が巷に溢れている勃起とEDの話。
今回、専門医として徹底解明してくれたのは、くぼたクリニック松戸五香の窪田徹矢院長と、大宮エヴァグリーンクリニックの伊勢呂哲也院長だ。
「EDは誤解の多い症状なので、“バナナ先生” としてYouTubeで積極的に情報を発信しています。EDのことで気になることがあれば、気軽に泌尿器科を受診してほしいですね」(窪田医師)
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伊勢呂医師は、男性の更年期障害にも注意を促す。
「当院では、更年期障害の男性患者さんが毎日20人以上来院されます。性欲減退やED以外に、うつや倦怠感といった体の不調があれば、更年期障害の可能性があります」
正しい情報で、“元気” を取り戻せ!
■禁欲するとEDが治る(×)
「男性の間ではよく言われるようですが、実際にはあまり効果はないと思います。一定期間、射精をしないことで一時的なテストステロン濃度の上昇は期待できますが、その期間は1週間程度です。
それ以上長く禁欲してもテストステロン濃度は元に戻ってしまうという調査報告があります。むしろ長期間の禁欲がストレスになってしまい、パフォーマンスが低下するケースもあるようです」(窪田徹矢医師)
■EDは心臓病の兆候である(○)
「予兆ととらえるのであれば○です。じつは、心筋梗塞・狭心症とEDは、動脈硬化や血流の低下、血管の詰まりなど、発症するメカニズムは同じだといえます。
注目すべきは、動脈の太さです。心臓の冠動脈は3~4mmなのに対し、陰茎の動脈は1~2mmと非常に細いため、軽度の動脈硬化でも、症状として現われやすいのがEDと考えられます。
動脈硬化が進むと、EDからさらに心筋梗塞などの症状を招く可能性があります」(伊勢呂哲也医師)
■AGA治療薬を飲むとEDになる(×)
「代表的なAGA治療薬であるプロペシアの副作用として、性欲減退や勃起機能の低下を招く可能性があることが知られています。
しかし、この副作用の発生頻度は、1%程度と非常に低いです。ほとんどの方は、影響がないといえます」(伊勢呂医師)
■高熱を出すとEDになる(×)
「たしかにインフルエンザなどで高熱を出すと、精子を作る機能が低下することがあります。しかし、それは一時的なもので、低下したとしても3~4カ月もすれば精子を作る機能は元に戻ります」(伊勢呂医師)
■糖尿病になるとEDになる(○)
「血糖値が高い血液は、血管の壁を傷つけやすく、神経にも障害を及ぼしてしまうので、○ですね。
糖尿病が進行すると、毛細血管や末梢神経がダメージを受けてしまいます。すると、陰茎への血流が妨げられますし、性的興奮や刺激が伝達されづらくなり、EDを招いてしまいます」(伊勢呂医師)
■うなぎを食べるとビンビンになる(△)
「うなぎはスタミナ食の代表ですね。ビタミンA、B、亜鉛を豊富に含みます。ビタミンAは生殖機能の維持、ビタミンBは疲労回復、亜鉛は男性ホルモンの生成に欠かせない栄養素です。
うなぎを食べて、すぐに絶大な効果が出るかどうかは個人差があると思いますが、EDに悩む男性は積極的に食べてもいいかもしれません」(伊勢呂医師)
■自転車に乗るとEDになる(○)
「一般に、サイクリングEDと呼ばれます。もちろん、自転車に乗ると即EDになるというわけではありませんが、スポーツタイプの硬いサドルの自転車に毎日2時間以上乗るという方は注意したほうがいいでしょう。
サドルに跨ると血管・神経が通る会陰部が圧迫され、陰茎への血液循環が悪くなります。それが長時間、何度も繰り返されることで器質性EDが引き起こされてしまう可能性があります。
柔らかいサドルを選んだり、股間に衝撃を緩和するパッドが入ったサイクリング用パンツを使用するといった対策もありです」(伊勢呂医師)
■メンソール煙草を吸いすぎるとEDになる(○)
「男性の間で、昔から語り継がれているものですが、これは真実です。ただし、正確にはメンソールの煙草だけではなく、種類を問わずすべての煙草は、吸いすぎるとEDになります。
メンソールの煙草に使用されているメントールという成分自体が、EDの原因となるわけではありません。喫煙によって血管がダメージを受けるため、陰茎への血流が低下し、EDを引き起こします。
ヘビースモーカーでEDに悩む患者さんが禁煙したところ、EDが改善した例もあります」(伊勢呂医師)
(次ページでは、「薄毛は絶倫の証拠」説も検証します)