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ドバイで人気のアニメは『UFOロボ グレンダイザー』移住を志す女性芸術家が語るUAEの魅力とは

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.25 22:25 最終更新日:2023.04.25 22:43

ドバイで人気のアニメは『UFOロボ グレンダイザー』移住を志す女性芸術家が語るUAEの魅力とは

増山さんとUAEの王族、マジェット氏。中央はマジェット氏が気に入ったという侍の絵だ

 

「もうすぐ、UAEに引っ越ししようと思っているんです」

 

と語るのは、芸術家の増山麗奈さんだ。映画や路上パフォーマンス、絵画など多岐にわたる表現技法を用いてきた増山さんが、UAEに移住するきっかけは、王族と知り合いになれたことだ。

 

「3月に開催された『ワールドアートドバイ2023』という、国際アート展に参加したことが発端でした」

 

 

 増山さんは、自身が代表を務めるAIアート集団「波羅密多」から作品を出品していた。その会場に訪れたのは、UAEを構成する首長国のひとつ、ラアス・アル=ハイマ(通称RAK)の王族であり、王族系大企業の副会長を務めるビジネスマン、シェイク・マジェット氏だ。

 

「AIを利用したうえで、日本の和紙に印刷し、伝統技法も加えた『侍ジャーニー』という作品を展示していたところ、マジェット殿下に来ていただけました。作品の説明をすると、すごく感銘を受けてくださいました。さまざまな質問をいただいた後、『この侍の顔を、自分の顔に描き換えて作ってほしい!』と、オーダーをいただいたんです」

 

 展示会の終了後、さっそくドバイで作品を作ったところ、王子専用の迎賓館で出迎えられたという。

 

「作品の仕上がりを、とても喜んでくださいました。そしてそのときに『日本のお茶が好き』とおっしゃっていたので、RAKに日本産の畳でお茶室を作りたいと言ったところ、前向きに考えてくださいました」

 

 王族に気に入られるコツは“正直になること”だという。

 

「私は嘘がつけない人間で(笑)、思ったことは隠さず伝えることが大事だと思います。マジェット殿下に対しては、王族だから好きというわけではなく、とても勉強されていて、尊敬することがたくさんあります。大の日本好きの方ですよ。王子専用迎賓館の入り口には、日本の甲冑が飾ってありましたよ。何度か来日しており、茶道を経験され、日本の文化は素晴らしい、と言っていたようです」

 

 50~130万円で絵を出展していたという増山氏。気になる“王族”の購入価格は……。

 

「マジェット殿下の手前、具体的には言えませんが、予定していた金額よりも少し多めに支払ってくださいました。今回、『ワールドアートドバイ2023』に参加して感じたことは、ドバイは日本よりも、社会の伸びしろが大きいと思うんです。芸術への熱気と勢いが違うんですよ。さらに、王族の肩や政府関係者の方々は、フットワークが軽く、相談すればなんでもトントン拍子に話が進みます。RAKでは2026年にカジノが解禁されるのに向け、現在、建築がスタートしているんですが、RAKには数十人しか日本人が住んでいません。そこで、私が日本とドバイの橋渡しのようなことができればと思い、移住を考えているんです」

 

 資金に余裕がある王族が、芸術作品を“爆買い”してくれるというだけでなく、そもそも、日本の文化がUAEでは大人気なのだという。

 

「展示会に、『ベルサイユのばら』のセル画を描いた、アニメーターの河崎洋子さんが参加していて、それを見た人が『5歳のときにあなたのアニメを見ていました』と泣いて喜んでいるのを見て、アニメの人気の高さを実感しました。いちばん人気なのは、1980年代にレバノンのテレビ局、『テレ・レバノン』で初放映されたロボットアニメ『UFOロボ グレンダイザー』なんです。日本だと驚かれるかもしれませんが、ちょうど放送されていたのが、イラン・イラク戦争のときだったんですよ。宇宙からきた悪とロボットが戦うという内容を、視聴者は当時のイラン・イラク戦争に重ねて感情移入したようです」

 

 現在、増山さんが力を入れているのは映画製作。ロシアのチームと共同で、4年間で3700万円をかけた“侍映画”だという。

 

「『歳三の刀』というのですが、もう撮影は終えています。三味線やお寺など、日本の魅力が詰まった作品です。UAEで上映して、少しでも日本の文化普及に貢献できたら嬉しいですね」

( SmartFLASH )

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