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医師・水野泰孝氏 感染力は強いが重症度が下がり「オミクロン主体になった時点で5類相当と思った」【さらばコロナ禍・専門家を直撃!】

ライフ・マネー 投稿日:2023.05.10 06:00FLASH編集部

医師・水野泰孝氏 感染力は強いが重症度が下がり「オミクロン主体になった時点で5類相当と思った」【さらばコロナ禍・専門家を直撃!】

マスク定着の副作用を心配する水野泰孝氏

 

 新型コロナウイルス感染症法上の位置づけが、ついに季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行。感染爆発期、ワイドショーに引っ張りだこだった専門家たちは今、何を語るのか。

 

 ニホンモニター発表の「新型コロナウイルス関連専門家」のテレビ出演回数ランキングで、2020年は3位、2021年は4位だった、東京・麹町のグローバルヘルスケアクリニック院長・水野泰孝氏を直撃した。

 

 

 水野氏は、2022年夏以降、5類引き下げを訴えてきた。2類相当では、治療費などは公費負担だが、患者の全件把握が義務づけられており、保健所や医療機関の業務逼迫が問題視されていた。

 

「コロナの疑いがある患者を診られる、発熱外来を設けた医療機関が圧倒的に少ないのが逼迫の原因でした。ところが、オミクロンが主体となって、まったく事情が変わりました。強い感染力と引き換えに、重症度はガクンと落ちたので、その時点で5類相当と考えました。ところが、医療費や施設の問題、そこの感染対策の必要性など、議論がまた膠着状態になってしまいました」

 

 ウイルスが完全に変異したのに、政府は即座に動けなかったのだ。水野氏は、あらゆる場面で「日本的な同調圧力が顔を出した」と嘆く。

 

「3月13日に、マスクの着用が自主判断となったのに、いまだにする人が大半。花粉症がゴールデンウィーク前後まで続きますから、そのせいもあるかもしれませんが、5月8日を過ぎても、マスクを外す人はそう増えないと思います」

 

 マスク着用の主たる意義は「咳エチケット」。自分の体調が悪く、咳をしているときには、他人に病原体をうつすリスクを回避するために着けるべきだろう。ただ、健康時は着ける必要性は低い。

 

「厚労省は、混み合った電車内での着用をいまだ推奨していますが、まず誰もが押し黙って乗っているから、その必要性は低い。博物館や美術館や映画館でも、みんな静かに鑑賞していますよね」

 

 水野氏は、マスクが「顔を隠すため」のツールとして定着した感があり、むしろ「長期的な副作用が心配」とこぼす。北村義浩氏は「パンツ」にたとえたマスクだが、もう思い切って外してもいいかもしれない。

 

みずのやすたか

1969年生まれ 専門は感染症内科。東京慈恵会医科大学大学院医学研究科修了。東京医科大学准教授・同大学病院感染制御部部長、感染症科診療科長などを経て2019年より現職。

( 週刊FLASH 2023年5月23日号 )

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