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「京浜東北線」と「埼京線」は実在しないと時刻表が教えてくれるライフ・マネー 2017.08.28

『写真:アフロスポーツ/アフロ』

『写真:アフロスポーツ/アフロ』

 

「山手線は一周していない」「京浜東北線は実在しない」とは、初級の鉄道雑学本のネタとして、よく使われる案件である。おさらいを兼ね、簡単に説明させていただく。

 

 線路の戸籍上、「山手線」というのは、品川を起点に新宿、池袋を経由して田端へと至る20.6キロの線区とされている。もちろん、山手線の列車は田端で折り返すことはなく、上野、秋葉原、東京、新橋と進んで品川へ、さらに新宿、池袋とまわっていく環状運転を行っている。

 

 山手線列車の運転系統はそうであって、むろん上野でも東京でも、この環状運転を行っている列車を「山手線」として旅客に対し案内していることはご承知のとおり。

 

 けれども、線路の戸籍から言えば、環状運転を行うルートの東側、田端から東京までは「東北本線」であり、東京から品川までは「東海道本線」となるのである。

 

 京浜東北線も似たようなものだ。俗に「京浜東北線」と旅客に案内されるのは大宮~横浜間だが(列車が直通運転する横浜~磯子~大船間の根岸線を含めて京浜東北線と呼ぶ場合もある)、そのうちの大宮~東京間はあくまでも「東北本線」、東京~横浜間は「東海道本線」であって、京浜東北線という線名は、JRの正式な線路名称としては存在しないことになる。

 

 要するに「京浜東北線」とは、列車の運転系統を表す通称あるいは愛称といった位置付けと言えよう。

 

 以上のことをはじめて耳にした方は、納得がいかない思いをなされるかもしれないが、JRの線路の戸籍とは、そういったものなのである。

 

 まあ、これらの件は、利用者にはあまりかかわりのないもので、知っていても知らなくてもどっちでもいい話であり、むしろ京浜東北線の乗客などは、「京浜東北線」が正式な線路名称としては存在しないことなど、知らないほうがよっぽど幸せかもしれない。

 

 それなのに、その利用者にはどうでもいいことを、『JR時刻表』は妙にこだわっているフシがある。

 

 例えば山手線の表を見ると、「駅名」欄の左側に「営業キロ」欄があって、そのさらに左側にわざわざ「線名」欄を設け、田端~東京間は「東北本線」、東京~品川間は「東海道本線」であることを、しっかり明記している。

 

 面白いのは総武線・中央線の表である。総武線のほうは、千葉~御茶ノ水間が正式には「総武本線」という線路名称であること、まあ、とくに詳しくはない人でも薄々察しがついていたことであろう。

 

 ややこしいのは中央線のほうだ。表には東京~高尾間が示されているが、「線名」欄を見れば、なんと正式には、東京~神田間が「東北本線」、神田~代々木間が「中央本線」、代々木~新宿間が「山手線」、新宿~高尾間が「中央本線」であると読み取れる。

 

 大崎~新宿~池袋~赤羽~武蔵浦和~大宮間の埼京線も、京浜東北線と同じく正式には実在しない線路名称である。埼京線の表を見やれば、大崎~池袋間が「山手線」、池袋~赤羽間が「赤羽線」、赤羽~大宮間が「東北本線」とある。

 

 このうち、赤羽~大宮間に関していえば、埼京線は本家の東北本線よりもだいぶ西側の離れたところを走っているので、「東北本線」は「東北本線」でも別線と捉えるとわかり易い。

 

 ところで、池袋~赤羽間の「赤羽線」の名を懐かしく感じられる方もいらっしゃろう。東北本線の別線ができて埼京線が誕生する以前、池袋~赤羽間が折り返し運転だった時代に、旅客案内上も使われていた線名である。

 

 この「赤羽線」という名、昭和60年に埼京線に飲み込まれる格好で使われなくなったのだが、池袋~赤羽間の正式線路名称としては、今も脈々と生き続けているという次第。そのことが一般人にも眼に見える形で示されるのは、『JR時刻表』の粋な計らいとでも言うべきであろうか。

 以上、所澤秀樹氏の新刊『鉄道時刻表の暗号を解く』(光文社新書)より引用しました。紙の時刻表ならではの「非合理の楽しみ」を味わう旅へ出発進行!

 

●『鉄道時刻表の暗号を解く』詳細はこちら

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