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日本にすごい場所が… “郷愁写真家” 栗原悠人氏が自ら厳選したオドロキ “珍” 絶景

ライフ・マネー 投稿日:2023.11.05 06:00FLASH編集部

日本にすごい場所が… “郷愁写真家” 栗原悠人氏が自ら厳選したオドロキ “珍” 絶景

○直線道路「天に続く道」/【北海道・斜里郡】

 

 ひなびた温泉や廃墟、秘境駅……。郷愁を感じさせる風景や建造物の写真SNSにアップし続け、大きな話題を集める「一人旅研究会」こと栗原悠人氏。ガイドブックに載っていない日本中の場所をあまた巡ってきた彼がひときわ目を奪われた、珍しくてシュールな、日常から外れた9つの珍絶景を、本人の解説とともに紹介。

 

「今まで国内800カ所近くを、ほぼ一人で巡ってきました。一度訪れた場所を、季節や時間帯を変えて再訪することもありますし、新たに行きたい場所も山ほど。人生100年あっても足りません!」

 

 ノスタルジーを感じさせる廃墟やひなびた温泉、田舎の風景などの写真をSNSにアップし知名度を高める「一人旅研究会」こと栗原悠人氏。あまり人が訪れない、郷愁を感じる場所に惹かれるあまり、車での日本一周、JR全線乗車(2020年当時)を達成するなど、日本中をあまねく旅するなかで出会った “珍絶景” を紹介。

 

 

「日本にこんな光景があるのか、と驚くことも多く、なかでもとっておきのものをまとめました。また、観光客がほぼいない場所を一人で旅すると、いわゆる “珍体験” をすることもあります。北海道の上川駅前でのこと。鉄道と折り畳み自転車で移動していましたが、次の列車までに組み立てる時間がなく、重い自転車を担いで食事処を探していたら、その姿を哀れに思ったのか地元のおばあちゃんにお金を渡されました(笑)。

 

 ほかにも秋田の東能代を訪れた際、宿にありつけず駅前のロータリーで寝ていたら、寒くて息絶えそうに見えたのか何人もの新聞配達員さんに心配されるなど、貧乏旅が多いのでその種のエピソードには事欠きません。福島の只見から会津蒲生の間を歩いていたら、旅人が珍しいのかお茶の葉を地元の方からいただいたり、人の温かさを感じることもたびたびです」

 

◯ーー果てが見えない28kmの直線道路があった!ーー

 

・【北海道・斜里郡】/ 直線道路「天に続く道」

 

「北海道感動の瞬間100選」にも選出されている「天に続く道」。国道244号から334号の全長28.1kmにも及ぶ道路が知床の大自然のなかひたすら真っすぐ続いている。なお、この写真はXで22万いいね(10月26日時点)を稼ぐなど大反響。「仕事で住んでいた札幌からの転勤が決まった直後に訪問、この風景を見て北海道から離れたくない気持ちで感極まりました……」

 

◯ーー湖底に沈む現役の線路があった!ーー

 

・【北海道・河東(かとう)郡】/ 然別(しかりべつ)湖の湖底線路

 

「天空の湖」とも称される、北海道でいちばん標高が高い場所に位置する然別湖。その水底に沈む線路は一見謎に包まれているが、じつは冬に遊覧船を陸に引き上げるために現役で用いられている。沖合に向かって水深が深くなると線路が見えなくなる様は幻想的。「見た目の美しさはもちろん、まさかの船の線路という意外性も含めて楽しめます」

 

◯ーー立体交差4層の迷路のようなジャンクションーー

 

・【大阪・大阪市】/ 北港ジャンクション

 

 大阪湾に面する、阪神高速2号線と5号線が複雑に立体交差するジャンクション。このような構造となった背景に、近隣が工場や石油タンクがひしめく工業地帯のため、用地が限られているという理由がある。「見ているだけでわくわくするロマンを感じます。趣味のジオラマで再現したい」

 

◯ーー日本で唯一の「車が通れない国道」ーー

 

・【青森・東津軽郡】/ 階段国道339号

 

 国内唯一の階段国道。もともと生活道路として階段があったところを、道路として整備しようと国道に指定されたが、70mの高低差と密集する民家のため手つかずに。「入口には『津軽海峡・冬景色』の歌謡碑があり、ボタンを押すと爆音で曲が流れます。冬以外に聴くとシュールです」

 

◯ーー25年間、都心で休眠する路線があった!ーー

 

・【東京・品川区】/ 休止線・JR大汐線

 

 汐留の貨物駅と大井埠頭近くの東京貨物ターミナル駅を結ぶ、かつて存在した貨物専用路線。1998年に休止線となり、都心の真ん中に、錆びついた架線柱と草木に覆われた異様な光景を生み出している。「全国の廃線・休止線は数あれど、地価も桁外れに高い東京の真ん中でこんな “贅沢” に放置されているのはここだけです」

 

◯ーー竹林のなかの「ワイルドすぎる寝湯」ーー

 

・【鹿児島・霧島市】/ 竹林の湯

 

 国道223号沿いの山道を下ること5分弱でたどり着くのが、いつ誰が作り名付けたのかも不明の野湯・竹林の湯。「深さはないので寝湯ですが、体感42度ほどと、入ってくれといわんばかりの最高の湯加減です。ただ当然脱衣所もなく、訪問時は雨だったので、傘を逆さにしてその上に服を置きました(笑)」

 

◯ーー橋の上に鎮座し続ける廃列車ーー

 

・【北海道・芦別市】/ 三井芦別鉄道・炭山川橋梁上の廃列車

 

 1940年の開業以来、半世紀近く石炭の運搬などを担った三井芦別鉄道だったが、1989年に廃線。以降、機関車と石炭貨車が橋の上に保存展示されている。以前は、冬には地上に移動されたが、現在は冬も橋上で放置されており、まるで雪で立ち往生したかのよう。「人里離れてぽつんと佇んでいる何十年もの時の長さを思うと、多忙な日常で荒んだ心が癒やされます」

 

◯ーー草木にのまれたダンジョンのような廃炭鉱ーー

 

・【北海道・苫前(とままえ)郡】/ 築別炭鉱のホッパー跡

 

 1940年に開坑、国内屈指の炭鉱街として最盛期には人口6000人を誇ったが、1970年に閉山。街と炭鉱全体が廃墟と化した。なかでも、貨車に石炭を積み込み出荷する施設・ホッパー(貯炭場)の内部は、コンクリート柱が草木にのまれた幻想的な光景。「かつての栄光をしのばせる美しく巨大な遺構にやるせなさを覚えます」

 

◯ーー水没した豪華リゾート村ーー

 

・【岡山・瀬戸内市】/ 鹿忍(かしの)グリーンファーム跡

 

 海沿いにある塩田跡で定期的な排水が必要な土地だが、バブル時代には、テニスコートやゴルフの練習場も完備のペンション村として繁盛。しかしバブル崩壊後に閉鎖。排水が滞り、東京ドーム3.6個分という広大な敷地が丸ごと水没。「皮肉にも、あまりに繁殖しすぎた藻に光が反射し、水がきれいな緑色に見えて映えます」

 

くりはらゆうと
1995年12月31日生まれ 神奈川県川崎市出身 少年時代より旅を愛し、慶應義塾大学在学中には車で日本を一周。就職後も休みのたびに全国各地を巡り、郷愁や退廃を感じさせるスポットを撮影、その写真を連日ネット上で公開し話題を呼ぶ。そのほか最新情報は、公式X(@keionoteio)にて

( 週刊FLASH 2023年11月14日号 )

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