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川崎駅ではトレインビューを肴に「そば焼酎」…改札外だけどホームは目の前!「駅酒場」のススメ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.03.08 06:00 最終更新日:2024.03.08 06:00
駅酒場、すなわち鉄道駅構内で酒類を提供する飲食店が活況を呈している。
駅酒場は、昼間から一定数の需要を見込めることもあり、夜間営業の自粛が求められたコロナ禍のなかでも、店舗数は飛躍的に増えた。
用事のついでや、乗り換え途中などにフラッと寄って軽く一杯呑める便利さと、「駅ナカで呑む」という特別感が人気の理由だろう。
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そんな駅酒場の世界を、改札内と改札外に分けて覗いてみよう。なお、画像に付された価格はすべて税込みで、各店の紹介文に付された「ホームまで◯秒」は、もっとも近いホームまでの筆者の体感時間であることをお断わりしておく。
近隣住民も利用する改札外の駅酒場は、改札内と比べてゆっくりと過ごせる店が多い。
川崎駅の「そばじ」では、眼下に京浜東北線や東海道線の列車を眺めながら、注文を受けてから茹で上げる田舎そばを肴に、そば焼酎などを楽しんだ。
小田急新宿駅西口地下の改札横にある「わおん。」は、朝昼は定食、夕方からは迅速提供が嬉しいちょい呑みスポットに。種類豊富な肴は、酒を注ぎ終える前にスピード提供されることもしばしば。「今すぐ呑みたい!」という欲求にどストライクだ。
京急黄金町駅(神奈川)の「えき缶酒場」も、駅そば店が夕方以降は立ち呑み屋に一変する。缶詰料理がウリで、店内の壁一面に缶詰がズラリ。
ワイン系も充実。JR塩尻駅(長野)の「アイマニSHIOJIRI」は、駅の階段の踊り場で営業する塩尻ワインのテイスティングバー。JR甲府駅(山梨)も負けてはいない。「葡萄酒一番館」では、ソーダで割った「かちわりワイン」を。ジョッキでワインを呑んだのは、生まれて初めてだった。
駅酒場に力を入れるあまり、グループで自前のクラフトビール醸造所まで造ってしまったのが近鉄。近鉄奈良駅の「カフェチャオプレッソ&YAMATO BREWERY 奈良駅店」のほか、大和西大寺駅改札内などでも呑める。
尾道駅には、2022年に瀬戸内の柑橘類に特化したジューススタンド「カンキツスタンドオレンジ」がオープン。昼でも柑橘入りのクラフトビールなどを呑めるほか、週末の夜には「気まぐれスタンドDAIDAI」に名を変えて、立ち呑み営業となる。
肥前浜駅の「HAMA BAR」は、なんと無人駅で営業する駅酒場。地酒の呑み比べセットは、九州全土を巡る観光列車「36ぷらす3」が50分間停車する間に、地酒を気軽に楽しめる。当然、私は普通列車で訪れたのだが……。
窪川駅の「しまんとえきめしFORM」では、四万十鶏の唐揚げを肴に、高知の地酒「瀧嵐」を楽しんだ。ウッディでおしゃれな店なのに、日本酒は升の中にグラスを入れ、しっかりそこから溢れさせてくれた。
改札外の駅酒場も、乗り継ぎが不便でも、途中下車したくなる名店揃い。乗り遅れる心配がないからと、呑み過ぎないように!
取材/文・鈴木弘毅