那覇の観光地の代表格、平和通り商店街。土産物屋さんや衣料品店が立ち並ぶ通りの中にあるのが、嘉数商会だ。オリジナルのタオルなどを扱うタオル専門店だが、店先のバイクの上にはなぜか大きな鍋が。
じつはこの鍋が、嘉数商会のねこ店長・みーちゃんの定位置なのだ。今でこそ体重約7キロとちょいポチャ気味だが、2011年冬、初めて姿を現わしたときは、とても小さな子ねこだった。
「『マイケル』と呼ばれていた地域のボスねこの後ろにくっついて、よくエサをもらいに来ていたんです。しばらくすると、みーちゃんだけが毎朝、店の前でじっと待つように。人なつこく、教えたらトイレもきちんとするので、店で飼おうということになったんです」(店主の嘉数信太郎さん、以下同)
こうして看板ねこになったみーちゃんには、お客をメロメロにしてしまう特技がある。まず「お手!」と言うと、左右どちらかの前足を差し出し、犬も顔負けの「お手」ポーズ。
そしてお客が自分の手のひらを前に突き出すと、そこに向かってハイタッチ。名づけて2種類の「肉球接客」だ。皆、そのあまりのかわいさに心を奪われてしまう。
また海外からの観光客も多い場所だけに、こんなこともあった。
「みーちゃんの紹介文を店先に貼っていたところ、ねこ好きのイタリア人観光客が『イタリア語で書いてあげる』と翻訳してくれたんです。
それを横に貼っていたら、ほかの国の観光客も次々と翻訳してくれて。今では英語、韓国語、中国語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語……など12カ国語の紹介文が飾られています」
周囲には住民たちが世話する地域ねこも多い。初めて飼ったねこがみーちゃんだという嘉数さん、今では「ここがねこに優しい街になってくれたら」と、すっかりねこ好きになってしまった。
(週刊FLASH 2017年9月5日号)