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【すぐ隣りにいる野生動物】シカやイノシシは「河川敷」から侵入、ハクビシンが「2階建て一軒家の屋根裏」に住み着くことも!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.06.16 06:00 最終更新日:2024.06.16 06:00
2023年度、クマによる被害に遭った人は219人に上り、過去最悪の件数となった。
しかし、昨今話題となる害獣はクマだけではない。東京都北区では、空き家にハクビシンやタヌキなどが住み着き、近隣住民が被害に遭うケースが頻発。新宿区でも近年、アライグマやハクビシンに庭先の果実を食べられたり、屋根裏に住み着かれたりといった被害が増えているという。
今年はカメムシの大量発生に悲鳴を上げる人も少なくないだろう。
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「野生動物は、存在自体が危険なわけではありません。ただ、身近にいることを知って、『こんなところにいるわけがない』という先入観を捨ててもらいたいです」
こう話すのは、鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏だ。野生動物は「食物」と「休息場(繁殖場)」が揃った場所に住み着きやすいという。
「人がいないので状況がわかりにくい空き家などが休息場として狙われやすい。たとえばハクビシンは、2階建て一軒家の屋根裏など、家屋の高いところに住み着きます。
都心部ではこうした空き家が目立つため、彼らの休息場になりやすいのです。野生動物の出現経路としては、河川が挙げられます。ハクビシンもそうですが、3月にはさいたま市の河川敷にシカが出没。川沿いに都心部まで出てきたと思われます」
イノシシも河川敷に出没することが多いと話すのは、農研機構の平田滋樹上級研究員だ。川沿いには、動物の食物が確保されていることが多い。
「都市部では、草木が生えているような河川敷に出没しやすい。山から離れていても、川を伝って移動すれば草が生えている空き地のような場所に出られます。
数年前には、神戸市の河川敷にイノシシが定着したこともありました。餌やり禁止の条例など、対策を進めたので被害はほとんどなくなりました。
こうした、野生動物が集まりやすい河川敷でも、害獣の “出没サイン” は種ごとに異なり、食べ方や糞の状態をとっても千差万別です。こうした “サイン” を見つけて、地域に住み着いている動物を察知し、対策しておくことが、被害を防ぐ第一歩になるのです」
目を光らせれば、あなたの隣りにも、すでに何かが住み着いているかもしれない――。