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亀田製菓、台湾に輸出した “赤ちゃんせんべい” から基準値超え「カドミウム」検出…それでも専門家は「健康に影響ないだろう」と語る理由

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2025.01.16 17:34 最終更新日:2025.01.16 17:34

亀田製菓、台湾に輸出した “赤ちゃんせんべい” から基準値超え「カドミウム」検出…それでも専門家は「健康に影響ないだろう」と語る理由

台湾で基準値以上のカドミウムが検出された「ハイハイン」

 

 亀田製菓が輸出したお菓子から基準値を超えるカドミウムが検出された。このニュースにSNSが騒然としている──。

 

 1月14日、台湾衛生福利部食品薬物管理署が、亀田製菓の乳児向け米菓『ハイハイン』から残留基準値(0.040mg/kg)を上回るカドミウム(0.046mg/kg)が検出され、廃棄・積み戻し処分したと発表した。

 

 

「亀田製菓は、1957年に創業して今年で69年め。柿の種、ハッピーターンなど、多くの人に愛されるベストセラーお菓子を生み出してきました。

 

 2022年には、インド人のジュネジャ・レカ・ラジュ氏が代表取締役会長CEOに就任。米菓を中心とした『グローバル・フード・カンパニー』を目指し、抜本的な改革を進めてきました。

 

 SNSでは、一部の商品の原料に中国産米を使っていることに批判の声も寄せられていますが、『ハイハイン』は国産米を使用し、かつ日本で製造されています」(経済担当記者)

 

 カドミウムと言えば、日本の4大公害病である「イタイイタイ病」の原因物質とされている。そうした背景もあり、Xでは不安に感じるとの声も多い。

 

《国内のは大丈夫か?上の双子はハイハイン1回だけあげたかな....》

 

《ハイハインの件。亀田製菓のお客様相談室にメールした。どんな回答くるか。。もう5袋くらいは食べさせてるから心配すぎる》

 

 亀田製菓の公式サイトを見ると、『ハイハイン』について「アレルギー特定原材料等28品目、香料、着色料不使用で仕上げ、赤ちゃんのはじめておやつにぴったりです」と安全性を強調している。

 

 では、なぜ基準値を上回るカドミウムが残留したのか。

 

 食環境を守るため、食品や畜産に関する検査や試験をおこなう食環境衛生研究所の担当者に話を聞いた。

 

「もともと、田や畑の土壌には微量のカドミウムが含まれています。カドミウムを含んだ土壌で米や野菜を栽培すると、そのカドミウムが米や野菜に移行するのです。今回のケースも、カドミウムが残留した米を原料にしていたと考えられます。

 

 ただ、基準値を大幅に超えた場合はイタイイタイ病などを引き起こす原因になりますが、基準値内なら、まったく問題ないと考えていいでしょう。

 

 台湾の『乳幼児用穀物ベースの補助食品』および『乳幼児副食品』のカドミウム残留基準値は0.04 mg/kgで、日本のお米の基準値は0.4 mg/kgです。台湾は日本以上に厳しく規制されているわけです。

 

 つまり、今回検出されたカドミウムは、日本の基準値はまったく超えていないのです。台湾の基準値0.04 mg/kgを極微量超えた程度では、健康に影響が出ることは、考えにくいでしょう」

 

 当事者である亀田製菓では、今回の騒動をどう受け止めているのか。亀田製菓・経営企画部の担当者は、本誌の取材にこう答えた。

 

「残留カドミウムの国際的な安全基準は0.4 mg/kgで、日本もそれに準拠しています。0.4 mg/kg以下であれば、安全に問題はないという基準が、まずあります。

 

 当社は『ハイハイン』の原料になるお米についてカドミウムの残留量の調査をしておりますが、直近の調査で検出した数値は0.1 mg/kgで、まったく問題のない結果となっております。

 

 また、日本ベビーフード協議会の規格では0.2 mg/kgとなっており、今回、検出された値はこの基準も下回っています。

 

 その一方、台湾は、成人の場合、国際基準に準拠する0.4 mg/kgですが、乳幼児用の食品については、0.04 mg/kgと、成人の10分の1という非常に厳しい基準になっています。今回引っかかってしまったのは、後者の基準です。といっても、0.046 mg/kgですから、ほんの少しオーバーしたという程度です。

 

 そうは言っても、台湾の基準、とくに乳幼児向け食品の基準の厳しさについて、どれだけ情報をつかんでいたのかという点で、いま事実確認を進めている状況です」

 

 今回、SNS上で不信を増幅させたのが、中国産米への生産シフトだと指摘する声もある。

 

「そういう話がネット上で流れていることは我々も認識しておりますが、それについてお答えすることは、たいへん恐縮ですが、差し控えさせていただきたいと考えております。

 

 いずれにしても、我々は国の基準や国際基準に沿った形で検査をして、そこで安全だという数字を確認したうえで商品を作っております。安全だという基準に基づいて、しっかり商品を作っていく方針は、これまでも、これからも変わりありません」

 

 なによりも安全が最優先。その方針をこれからも続けてほしい。

( SmartFLASH )

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