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文楽・豊竹若太夫の独特すぎる朝食は「ジャガイモの絞り汁」習慣は半世紀超「すすめても、誰もやってくれません(笑)」【私の朝食ルーティン】

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記事投稿日:2025.03.31 06:00 最終更新日:2025.03.31 06:00
出典元: 週刊FLASH 2025年4月8日号
著者: 『FLASH』編集部
文楽・豊竹若太夫の独特すぎる朝食は「ジャガイモの絞り汁」習慣は半世紀超「すすめても、誰もやってくれません(笑)」【私の朝食ルーティン】

「新鮮なイモは甘くておいしい。今日のは甘い!」(写真・木村哲夫)

 

 各界でトップを張る人気者たち。その食卓を拝見すると、「毎日、同じ朝ごはん」に決めている人も――。

 

 管理栄養士の水流(つる)琴音さんに、毎朝同じものを食べることについて聞くと「栄養バランスがよければ、毎日同じ朝食でも問題ありません。準備が簡単ですし、材料の無駄を減らせますよね」とのこと。

 

 

 文楽の語り手・太夫の最高位である豊竹若太夫は、師匠に頼まれた「ジャガイモ絞り汁」を、自らも半世紀超にわたって愛飲してきたという。

 

「よく『健康法は?』と聞かれて話すんですけど、みなさん、びっくりされるんですよ。すすめると『いいですね』と言ってくださるんだけど、誰もやってくれません(笑)。

 

 僕が半世紀以上、55年ほど続けているのは、ジャガイモを摺(す)って絞った汁を、毎朝、食事の前に飲むことなんです。この習慣は、僕が20歳のころ、内弟子として四代目の竹本越路太夫(たけもとこしじだゆう)の家に住み込みで修業していたときに始まります。

 

 師匠は、胃腸が弱くてね。それで、『ジャガイモは胃潰瘍に効果がある』と聞いてきて、僕に作ってほしいと頼むんです。こう、ジャガイモの芽を取って皮を剥いたら、おろし金でジャガイモを摺って――。それを手ぬぐいで絞ってグラスに注ぐ。慣れたもんでしょ? これを毎朝、師匠に飲ませていました。師匠のもとに4年ほどいましたから、毎朝、ジャガイモを摺るのが癖になってね。

 

 じつは僕も胃の痛みや胸焼けがあって、胃腸薬を飲んでいたから、少しだけ盗み飲みしてみた(笑)。そうしたら、これが効いたんですわ。それから僕も飲むようになりました。祖父も父も胃潰瘍の手術をしているんですが、僕はジャガイモのおかげで胃の調子はいいんです。

 

 いまは、弟子が毎朝、来て摺ってくれています。海外公演に行くときも、おろし金など一式を持っていきますし、東京の定宿のホテルにも置いてあります。海外のジャガイモは大きいから、ワイングラス1杯ぐらいになりますね。

 

 文楽の太夫は、なにより声が大事。ジャガイモは声帯や喉にもいいんですよ。それにジャガイモの絞り汁を飲みだしてから、切れ痔もよくなりました。喉からお尻までですわ(笑)。

 

 僕は4月で78歳。芸は80歳を過ぎてからが勝負だと思っています。粛々とジャガイモの絞り汁を飲みながら、精進します」

 

とよたけわかたゆう
2024年、文楽界の大名跡「豊竹若太夫」を人間国宝の祖父以来、57年ぶりに襲名。義太夫を語る太夫の最高位。XなどSNSでも自ら発信する

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