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【ニャイス・トゥー・ミート・ユー!】大阪銭湯のねこ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.04.14 06:00 最終更新日:2018.04.14 06:00
バスはバスでも、「三宝バスセンター」は古くから地元の人たちに愛されている銭湯だ。「ゆ」と書かれた大きな暖簾をくぐり玄関を入ると、キジトラ白の「タイガ」と茶白の「凜」がロビーで出迎えてくれる。
かつてここでは、経営者の村上裕代さんが飼っていた白ねこ「シロッチ」が看板ねこを務めていた。
「キリッとして、マッチョな雰囲気のねこ。とくに美人の女性客に甘えるのが好きでした」(村上さん・以下同)
しかし2004年、シロッチは腎不全で天国へ。その2年前に、店の隣の駐車場で保護されたのがタイガだ。
「営業が終わった夜中の1時ごろでした。上等なカゴの中に、生まれて半年くらいのねこが1匹だけ入れられていて。上まぶたと眼球がひっついてしまう『眼球癒着』という症状で、小さいころは2回も手術したほど」
タイガは村上さんの愛情を受けすくすくと成長。目はぼんやりとは見えるようで、若いころはロビーを元気に走り回っていた。
一方、凜は5年前、銭湯の敷地内でさまよっていたところを、村上さんが保護した。そのとき、推定生後3カ月。人馴れしていて体もきれいだったそうで、捨てられたばかりだったのかも、と村上さんは推測する。
こうして2匹は、仲よく銭湯のお客を迎えるようになり、しだいに人気者になっていった。
「70代のご夫婦がいつも夜、餌を持ってきてくださって、凜は入口の自動ドアまで飛んでいって挨拶し、餌をもらうのを楽しみにしていました。
でも最近、ご主人の具合が悪くなって通えなくなり、家にお風呂を作られたそうです。凜は『なんできぃへんのやろ』と元気なさそうです」
しかし「2匹に会うのが楽しみ」というお客は、ほかにも多い。寒い季節、風呂&ねこで心身ともにポカポカだ。
(週刊FLASH 2018年2月6日号)