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駅弁130年史(3)高級化が進み18万円の駅弁も登場!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.05.18 06:00 最終更新日:2018.05.18 06:00
駅弁愛好家・安田理央氏いわく、「駅弁とは、その土地の美味しいものをコンパクトに凝縮したもの」。いまや旅先だけでなく家でも楽しめる駅弁の、これまで語られなかった苦難と繁栄の歴史を追う!
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1964年の東海道新幹線開通で、駅弁が本格的に「旅のお供」としての地位を確立した。
ただ、立ち売りの禁止や、他業種の参入などでPRの場を駅以外のデパートなどにも広げていくことに。旅をしない人でも駅弁を料理として楽しむ文化が確立された。
「勤め人の昼食や家での夕食としても駅弁が楽しまれるようになりました」(駅弁女王・小林しのぶ氏)
その後、駅弁は高級化が進む。
「トレンドはハイブランド化と肉飯ブームです」と前出の小林氏は語る。
「使用されている肉の産地やブランド名、監修者にこだわる弁当」も多数誕生しているという。昨今のグルメブームに似た道を、駅弁も辿りつつあるようだ。
また、台湾やフランスでも販売され、「世界では見た目に美しい盛りつけを含めて愛されています」とのこと。
写真は日本一高額な日光の駅弁「日光埋蔵金弁当」。値段は18万円にも関わらず、毎回、発売後即完売するというから驚きだ。
【駅弁年表(1964-)】
●1964年(昭和39年)東海道新幹線開通
新幹線ホームでの立ち売りが禁止となった。
●1966年(昭和41年)第1回京王駅弁大会開催
現在まで続くデパートでの販売会がこの年、開始した。第1回は5000万円の売り上げがあったという。
●1987年(昭和62年)国鉄分割民営化
駅構内に駅弁業以外のさまざまな業種が参入することに。
●1988年(昭和63年)加熱装置つき駅弁が発売
神戸市の「淡路屋」が化学メーカーと組んで、食べる前に紐を引いて加熱する駅弁を開発した。
●2004年(平成16年)根室駅が駅弁のある日本最東端の駅に
大正10年開業以来、駅弁のなかった駅で、1917年開業の「釧祥館」が『花咲かにめし』を発売した。
●2013年(平成25年)『あまちゃん』ブームで『海女弁当』が話題に
ドラマの舞台である三陸鉄道の南の始発駅・宮古駅の「魚元」で販売。震災後1カ月で営業を再開した。
●2017年(平成29年)「まねき食品」が台湾で駅弁を販売
世界的な和食ブームで駅弁が海外でも人気に。フランスでもJRが期間限定で販売した。
(週刊FLASH 2018年4月24日号)