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人口減少が進む時代は「誰もが必要になる時代」 なのに、競争過多で人を排除? 人種で選別? ってお国自滅への道!

ライフ・マネー 記事投稿日:2026.06.20 16:00 最終更新日:2026.06.20 16:00

人口減少が進む時代は「誰もが必要になる時代」 なのに、競争過多で人を排除? 人種で選別? ってお国自滅への道!

地方の人口減少は深刻だ(写真・AC)

 

 日本で人口減少が始まったのは2008年です。ちょうど同じ年にリーマンショックが起こり、金融危機と不況の波が日本を襲いました。その結果、有効求人倍率がドーンと0.42に下がります。突然の不況で解雇される人が増え、仕事を求める人が増えたからです。

 

 その後、有効求人倍率はコロナショックまでずっと上がり続けます。その間に経済成長し、景気が良くなり、企業が売上拡大で採用を大幅に増やす、なんてことはありませんでした。むしろ、景気は横ばいか下降線。にもかかわらず、2014年には年平均有効求人倍率は1.0を超え、その後も上がり続け、2019年には1.6にまで達します。

 

 経済成長もしていないし、景気も良くなっていないのになぜでしょうか? コロナショックで2020年から翌年にかけ1.13(年平均有効求人倍率)まで下がりますが、1.0を切ることはありませんでした。その後も1.2〜1.3で推移しています。

 

 コロナ後に経済成長しましたか? 実感できるほど景気は上向きましたか? アベノミクス効果だ、という評論家もいますが、その前からも上がっていました。そうではなく、必要な仕事があるのに、人口が減って人が集まらない、ということが起きているのです。すなわち、人々に仕事や役割の機会が増えていることの証です。

 

■誰もが必要になる時代

 

 この現象は人口減少が著しい地方ほど顕著です。何をやるにも人手が足りない。地域の草刈り一つとっても人が集まらず、道の両脇が草ぼうぼう、なんてことが頻繁に起こっています。

 

 行政に頼めばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、行政だって人手も予算も足りません。今後も人口減少で税収は減っていくのですから、行政に任せて文句だけ言っていればいい時代は終わっていきます。できることは自分たちでやらないと、あらゆることが滞っていくのです。

 

 インフラに関わる仕事だけでなく、さまざまな業界で同じように人手不足が起こっていますよね。介護従事者、農業従事者、トラック運転手、バス運転手、鉄道運転士、配達ドライバー、建築土木従事者、学校教員……。

 

 昨今では、産婦人科医師が減っていることも問題になっています。産婦人科病院も減り、比較的大きな病院にも産婦人科がないことが増えている。出産できる病院や診療所は1996年に全国で3991カ所ありましたが、2020年には1945カ所と半減しました。少子化を食い止めたいのに、女性が安心して出産できる場所が近くにない、という状況がどんどん拡大しているのです。

 

 人手不足が著しい農業や建築土木や介護の業界は、すでに外国人労働者に支えられています。コンビニの店員さんなども外国人が増えていますね。彼らがいないとさまざまな事業が滞ります。昨今、外国人バッシングが盛んに行われていますが、彼ら現場の労働者を追い出したら、日本の産業は立ち行かなくなります。

 

 一方で、外国人にとって日本は魅力的な働く場ではなくなっています。他の国に比べて賃金も安いし、労働条件、人権、定住権などの条件も整わず、劣悪な場合が多いからです。

 

 スイスのビジネススクールIMDの2017年の高度外国人材への魅力度ランキング、調査対象のアジア11カ国で1位はシンガポール、2位は香港、3位はインドネシア、4位はマレーシア、5位はタイ、6位はフィリピン……と続き、日本は中国や韓国にも劣る最下位です。世界63カ国では51位。よって、外国人労働者の待遇を改善していかないと、働く場として日本は選ばれなくなっていきます。

 

 2023年のデータでは、日本で働く外国人労働者の数は約200万人です。JICAなどが主導した研究グループは、2040年に1.24%の経済成長率を達成するには外国人労働者を675万人まで増やさないと不可能と試算しています。経済成長を目指すなら、15年後に外国人労働者を3倍以上増やす必要がある、というわけ。

 

 さて、もっと外国人労働者に来てもらうほうがいいですか? 減っていくほうがいいですか?

 

 私はどちらでもいい。しかし、来てもらうなら、彼らも安心して暮らせる制度・待遇を整えるべきです。減らしていきたいなら、それを主張するあなた、外国人が担ってる現場の仕事に自ら就いてくださいな。

 

 2040年、働き手不足が1100万人になる、という民間試算も出ています。人手不足倒産が2025年時点で3年連続増加、今後も増えていくでしょう。働き手が足りていないなら誰かが担わなければならない。足りない労働力を少なくなっていく人口で担っていくしかないのです。

 

 とすれば、外国人を差別して排除するとか、優秀とか優秀じゃないとか、学歴の有無とか、体力の有無とか、障がいの有無とか、老若男女とか、LGBTQとか、選り分けている場合ではありません。競争煽って、負け組を劣等感に落とすなんてしてられません。ブラック企業で鬱や引きこもりの方々を大量に生み出しているなんてもってのほかです。

 

 働けるすべての人が、微力であっても活躍してもらわないと、これからの世は保てない。これは言い換えれば、誰にでも役割が生まれ、誰もが必要になる、ということです。

 

 

 以上、髙坂勝氏の新刊『人口減少ええじゃないか論』(光文社新書)をもとに再構成しました。しっかり人口減少を見通せば、街も田舎も経済がめぐり、誰にも役割が生まれる時代がやってくる。“半農半マルチワーカー” が導く未来とは。

 

●『人口減少ええじゃないか論』詳細はこちら

出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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