ライフ・マネーライフ・マネー

糖質制限 まずは「ロカボ」レベルからやってみよう

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.07.23 06:00 最終更新日:2018.07.23 09:36

糖質制限 まずは「ロカボ」レベルからやってみよう

 

 本誌はこれまで、糖質制限がさまざまな病気や体調不全の改善に有効だということを、専門家に解説してもらった。一時的に高レベルの糖質制限をして、体調を改善することも可能だが、急激な変化が必要ではない場合、どのような糖質制限がいいのか。

 

 

『ケトン食ががんを消す』(光文社)の著者で、医師の古川健司氏に聞いた。

 

「普通、成人男性が1日に摂取している糖質の量は、約270グラムから300グラムです。これを約130グラムに制限するのが、いわゆる『ロカボ』と呼ばれる糖質制限法です。健康維持を目指すだけであれば、ロカボのレベルが最適です」

 

 表は1日の糖質摂取量で分類した糖質制限のランクだ。「ロカボ」はこのなかでもっとも「ゆるい」もの。この一段階上のカテゴリーが「セミケトジェニック」で、サッカー日本代表の長友佑都選手は、この水準の糖質制限をおこなっているそうだ。

 

「セミケトジェニックでは、1日の糖質摂取量が約80グラム。ガンの予防にも効果があり、長く継続しても健康に害はありません。このレベルで糖質制限をすると、体内で『ケトン体』という物質が作られ、体を動かすメカニズムが変わります」

 

 ロカボ程度の糖質制限に挑戦するのは簡単だ。今では、コンビニなどで低糖質食品が数多く販売されている。自身も糖質制限を6年以上続けている、「なついキズとやけどのクリニック」院長の夏井睦医師が語る。

 

「私の昼食は、もっぱらコンビニにあるホットスナックのチキンと豆乳。あとはナッツを少しつまむぐらいです。チキンの衣にも糖質は含まれていますが、問題になる量ではありません」

 

 コンビニ以外でも、一部の牛丼店でライスを豆腐に変更できるなど、最近では外食チェーンで糖質制限に対応できる店舗も増えている。

 

 ケトン体とともに重要なのが、「MCTオイル」を摂取することだと、古川氏は語る。MCTとは、ココナツオイルなどに含まれている、天然の中鎖脂肪酸のこと。

 

「ケトン体が作られた体にMCTオイルを摂取すると、ブドウ糖のみをエネルギーとしていたそれまでの状態から、ケトン体をエネルギーとして消費できる “ハイブリッド” システムに変えることができるのです」

 

 宗田マタニティクリニック院長の宗田哲男医師も、MCTオイルの効果を主張する。

 

「MCTオイルと無塩バターをコーヒーに混ぜた『バターコーヒー』が今、ブームになっています。脂肪分の効果で満腹感があって、ダイエットにぴったりです。コンビニで売っていますよ」

 

 糖質制限にトライしやすい環境は整ってきているが、どうしてもご飯やパンが食べたい、という人も少なくないだろう。

 

「低糖質ご飯や低糖質麺など、材料に工夫をすれば、これまでと同じようなものを食べることができます。バランスを調整すれば、お酒も楽しめるんです」(古川氏)

 

 糖質制限は一時的にやるのではなく、ゆるくても続けていくことが大切。長く継続させていくためのコツを、古川氏に聞いた。

 

「健康維持が目的ならば、糖質はこれまでの食事の50%から60%オフ程度を目標にしましょう。それを超えた糖質制限は、基本的に治療のためのものです。ストレスで、活性酸素が発生し、逆に病気になってしまいますよ」

 

 過ぎたるは及ばざるがごとし。ストレスを感じたら、たまには甘いお菓子でも食べましょう!

 

(週刊FLASH 2018年6月12日号)

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

ライフ・マネー一覧をもっと見る