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【目指せ不思議スポット】東京のど真ん中「将門の首塚」ライフ・マネー 投稿日:2018.08.05 11:00

【目指せ不思議スポット】東京のど真ん中「将門の首塚」

 

 千代田区・大手町のオフィス街に祀られている将門塚。高層ビルが林立する一等地に、ぽっかりと穴があくように存在する空間自体が、なんとも不自然に見える。

 

 誰しも、噂くらいは耳にしたことがあるのではないだろうか。
その昔、平安京で討ち取られた平将門の首が、空を飛んで故郷江戸に戻り、この地に落ちた。その落下地点にあるのが、まさにこの将門塚なのだ。

 

 

 伝承によれば、将門の首が飛んできたその日、周辺は昼間でありながら闇に包まれ、大地は鳴動したという。

 

 ここまでであれば、よくある怪談やお伽噺の類いで済むが、話はこれで終わらない。むしろ、我々が耳にする首塚の本領は、大正時代以降の「祟りのエピソード」に紐付いていると言える。

 

 たとえば、関東大震災(1923年)で首塚が倒壊したあと、この地に旧大蔵省が庁舎を建てようとしたところ、工事関係者や省の職員に不幸が相次いだのは有名な話である。そればかりか、できあがった庁舎を雷が直撃したり、時の大臣が急死したりと、不審な事故が立て続いたという。

 

 さらに戦後に入ってからも、焼け野原となっていたこの地にGHQが駐車場を造成しようと工事を始めたところ、重機が横転する死亡事故が発生するなど、この手の噂は枚挙にいとまがない。

 

 現に今も、隣接するブロックの再開発工事が進められているが、開発計画の該当エリアから見事に首塚だけがはずされている。首塚は東京都指定の文化財であるため、敷地の所有者は都であるが、経済効果を踏まえればこれはよほどのことだろう。

 

 こうした一連の伝承と事実を、我々はどのように受け止めるべきなのか? 実は僕は以前、将門塚保存会の運営者である神田神社の関係者に、首塚について話を聞く機会を得ている。

 

「平将門は非常に勇壮で大きな力を持った人物で、関東では英雄視されています。噂というのはどうしても面白おかしく拡散されるものですが、そもそも祟りというのは悪いことをした人に起こるもの。そうでない人にとっては、何も恐れる必要はないはずです」

 

【目指せ不思議スポット】東京のど真ん中「将門の首塚」

 

 たしかに歴史を繙いてみれば、政権を握る藤原氏が京都で権力をふるっていた頃、人々は悪政に悩まされ、衣食に困窮していたという。そのため将門に寄せられる期待がいかに大きかったかは、討たれたあともこうして祀られている事実からも窺える。

 

「これだけの年月を経ても、なおこうして存在感を残しているというのは、それだけ強い力を持った神様であるとも言えます。何より将門様は、首1つになっても空を飛んで帰りたいと強く念じていたほど、故郷を大切に思っていたのです。祟り神と見るか、それともこの土地を大切に守るために帰ってきた存在と見るか。それは受け手の心持ち1つではないでしょうか」

 

 これは思わず納得させられる言葉だった。

 

 その、「帰りたい」との思いになぞらえて、首塚には蛙の置物がいくつか奉納されている。昨今では、行方の知れない家族の安否を懸念する人や、不本意な転勤を命じられたサラリーマンがお参りに来ることも多いという。首塚は単なるオカルトスポットではないのである。

 以上、友清哲氏の新刊『消えた日本史の謎』(知恵の森文庫)から再構成しました。謎の構造物、おかしな物体、奇妙な伝承、未解明のパワースポット…不思議をめぐる旅の記録です。

 

●『消えた日本史の謎』詳細はこちら

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