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腕時計大好き「吉田戦車」量販店めぐりめぐって1057円で購入

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.03 11:00 最終更新日:2018.10.03 11:00

腕時計大好き「吉田戦車」量販店めぐりめぐって1057円で購入

 

 何度か買い替えながら愛用している、カシオの腕時計「F-84W」が、どこにいってしまったのか出てこない。

 

 チープカシオなどとも呼ばれて、ファンもついている、気軽に買える腕時計の一つである。おそらくどれかのバッグのポケットに入っているのだと思うが、見つからない。

 

 

 バッグやらリュックやらポーチやら、何十個持ってんだこのオヤジは! と、自分にぶちキレながら何度か捜してみたが、出てくる気配はない。

 

 日常的に腕時計はしないが、指定席をとった乗りものに乗る時や、映画を観る時には持ち歩く。腕にもはめる。

 

 いちおう、けっこう高いソーラー電波腕時計も持っているのだが、「何かちゃんとした時用」と位置づけて、あまり使っていないのだった。ちょっと重いし。

 

 1000円前後で買える腕時計の軽さはすばらしい。自転車でちょっと遠出をした時に入った、ホームセンターA店で、シチズンの「Q&Q」というラインナップの、アナログ時計を見かけた。

 

 こういう時のためのリーズナブルさであろうし、一個買っちゃってもいいのではないか、という気持ちになった。まあちょっとおちつこうと、即買いするのはがまんし、いったん家に帰り、ネットの評価などを調べる。

 

 高評価である。そのままネットで買ってもいい。だが、こういうのは店で吊られているのを気軽に買うのが楽しい、ような気がしてくる。

 

 翌日自転車で、ポイントカードを持っている家電量販店B店に行く。絶対あると思ったのに、なし。火がついてしまい、C店、D店、E店…………と、家電量販店やホームセンターをハシゴするが、そもそも腕時計をあつかっていない店もあり、めあての腕時計はなかなか買えなかった。

 

 ネットでポチればよかったか……、と思ったが、ここまで回るともう意地だ。けっきょく前日のA店を再訪、無事おめあてのアナログ腕時計を買った。1057円。サイクリング時間4時間。

 

 ネット価格は883円だが、そんな価格差は屁でもない。だって、ネットで買っていたら、こんなにぐるぐる何軒も店を回れなかっただろう? という、謎の「得した感」が湧きあがってくる。

 

 デジタルだと、アラーム、ストップウォッチ、ライトなど、安いのにすごく律儀に多機能なわけだが、このアナログは時計、そして10気圧防水性能だけだ。

 

 カレンダーなどなく、暗闇で文字が光るようなこともない。デジタルが、中学生心をくすぐるとすれば、アナログは「水がかかったりすることもある現場で働く」ような、大人心をくすぐられる気もする。

 

 仕事中に腕時計などはめたこともないが、私の仕事場も、インクのしずくが乱れ飛ぶことだってある、工房的な現場だ。涼しくなったら一度試してみるか、腕時計装着マンガ描きを。

 

 F-84Wの捜索は、もうちょっと続ける。

 

よしだせんしゃ 
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。最新刊『忍風! 肉とめし 1』『来れば? ねこ占い屋』(ともに小学館)が発売中!

 

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2018年10月9日号)

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