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改竄「KYBオイルダンパー」もしうちのマンションにあったら
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.29 06:00 最終更新日:2018.10.29 06:00
建物の免震・制振装置のトップメーカーであるKYBと、子会社・カヤバシステムマシナリーによる免震データ改竄問題。問題になっているのは、油の粘り気を利用して衝撃や振動を和らげる装置「オイルダンパー」の検査データだ。
国交省やKYBによると、改竄は2000年3月から2018年9月まで18年半も続けられ、じつに987件の建物で、不正な製品、疑いのある製品が使われている。検査数値が基準値と40%以上ずれた物件もあるという。
「高層マンションの地下に、免震オイルダンパーが使われるケースが増えています。地下は共用部にあたるので、不正な製品が使われていることがわかった場合、改修するにはKYBとマンションの管理組合の交渉になるでしょう」
こう話すのは、オラガ総研代表取締役で、住宅コンサルタントの牧野知弘氏だ。
「物件により地盤の固さ、建物の強度も違い、一棟一棟修理・交換するわけですから、修理までに2、3年かかる物件も出てくるでしょう。また制振オイルダンパーの不正は件数が少ないようですが、こちらは壁に埋め込まれているので、もし交換することになれば非常に大がかりな工事になります」(牧野氏)
住宅ジャーナリストの榊淳司氏も警鐘を鳴らす。
「2、3年先になる工事までに大地震が起きた場合の責任について、想定される被害のデータはKYBが持っているはず。報告書を出してもらい、管理組合はKYBとの交渉の場で、念書の形で責任を明確にしておくことです」
問題発覚を受け、不動産大手の三菱地所と野村不動産が、KYBの製品が使われている一部のマンションについて、新規契約を休止していることを、フジテレビが報じた。
もし苦労して購入したマンションにKYBの免振オイルダンパーが使われていたら……速やかに管理組合で団結して、対応を検討すべき事態である。
(週刊FLASH 2018年11月6日号)