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秘蔵カラー写真で見る「60年前の日本」静岡市
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.11.09 11:00 最終更新日:2018.11.09 11:00
1956年3月、駐留米軍の軍属として初来日したJ・ウォーリー・ヒギンズ氏は、日本人女性と結婚後、国鉄の国際部の仕事を手伝うようになった。鉄道好きだったヒギンズ氏は、以後、趣味と実益を兼ねて日本中を旅し、当時貴重だったカラーフィルムで、鉄道写真を中心とした日本の風景を撮り続けた。
その貴重な写真を、順次公開していく。
地方の小さな町の路面電車や電鉄は、当時、鉄道の技術が自動車技術を上回っていたからこそ誕生したと言える。移動手段、移送手段としてバスやトラックが中心的役割を果たすためには、製造技術だけでなく、道を舗装する必要もあったが、路面電車なら道を舗装する必要はなかった。
こうした道路舗装やモータリゼーションへの変化の波が日本に押し寄せたのは、1950年代後半からで、そういう意味では生き残れずに自動車に切り替わっていく路面電車を多く目の当たりにすることになった。
この写真は、数多く撮った路面電車の写真の中でも気に入っている1枚。この地点からさほど遠くない所にある袋井で、線路は国道1号線と交差していた。当時、路面電車は、ちょっと出かける時も、袋井から国鉄で遠くまで出かける時も、なくてはならない、地方に住んでいる人々の生活を支えるごく当たり前の足だった。
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写真はJ・ウォーリー・ヒギンズ氏の新刊『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』(光文社新書)から転載しました。半世紀以上の歳月を経て、なお色褪せない6000枚の中から、選りすぐりの382枚を、当時の思い出話とともに公開します。
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