「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ジョーさん(50)派遣社員】
カメラマンの父は80歳ですが、定年がないので、今も自分で車を運転しています。年齢を考えると心配で、もう運転はやめてほしいのですが、聞く耳を持ちません。どのように説得したらいいでしょうか?
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【山口先生のお答え】
う~ん、80歳ですか。
私はお父さまの運転ぶりを拝見していないので、軽々に「もう年だから運転は危ないですよ」とは言えません。何故なら、現役の人はみんな実年齢より若く見えるからです。
私の叔父(母の弟)は現在90歳ですが、社交ダンス教室を経営している日本最高齢の現役ダンス教師です。今も毎日何時間もレッスンしていますし、パーティーとなれば10曲以上も踊ります。
当然ながら背筋はまっすぐ、頭も足腰もしっかりです。「ボケ防止には社交ダンス」を謳い文句に、自ら広告塔になっています。叔父が母と一歳しか違わないのに、同じ人類とは思えないほど若くて元気なのは、現役を続けているからです。
でも、そんな叔父もさすがに2017年、車の運転をやめました。視力の衰えを自覚して、不安を感じたそうです。
というわけでジョーさん、現役を続行しているお父さまに運転を諦めていただくには、本人の自覚を促すのが一番です。周囲がいくら反対しても、自覚がないとやめさせるのは難しいと思います。
同乗して一々不手際を指摘するという手もありますが、親子喧嘩になりそうですね。
それより、もうすぐ完成する自動運転車の発売を待つ方が、得策かも知れません。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都・千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。最新刊『婚活食堂』が発売中
(週刊FLASH 2018年 11月13日号)