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最後は骨が溶け出す「歯周病」これが魔の3段階だ!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.14 16:00 最終更新日:2018.12.14 16:34
健康な歯ぐきはピンク色で、キュッと引き締まっている。歯と歯の間の歯ぐきは、とがった三角形だ。
「歯周組織(歯を支えている土台)は、歯肉(歯ぐき)、歯根膜、セメント質、歯槽骨(歯のまわりの骨)からなります。歯周病はこの歯周組織が破壊され、歯が支えられなくなる病気。
歯と歯ぐきの間には歯肉溝と呼ばれるミゾがあり、健康な歯ぐきで深さは0.5~2ミリ程度。このミゾに汚れが溜まると、細菌が繁殖して歯周病の原因となります」(沼部教授・以下同)
【第1段階/歯肉炎】
歯肉溝にプラークが溜まりだし、歯ぐきが炎症を起こして腫れる。
「プラークは細菌の塊です。耳かき一杯分ぐらいの中に、1億個以上の細菌が存在する。
この状態で歯ブラシを当てると出血しますが、歯ぐきが腫れているのはプラークが溜まっているためで、それを取り除かないと、腫れは治まりません。
歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を入れ、丁寧にプラークを取ってください。プラークが固まると歯石になり歯ブラシでは取り除けません」
【第2段階/中等度歯周炎】
放っておいたプラークが、歯石に変化している(黒い部分が歯石)。歯ぐきの炎症と腫れが広がっている。
「歯のまわりの組織が壊れだすと、歯と歯ぐきとの間に歯周ポケットという深いミゾができます。歯と歯の間の歯ぐきも下がってくるので、隙間ができ歯が長くなったように見えます。
歯の間がスースーするなと思ったら、歯周病を疑ってください。骨が半分近く溶けているので、歯もかなりグラグラしてきます。そこで気づく人も多いのです」
【第3段階/重度歯周炎】
歯ぐきが熟れすぎたトマトのように赤く腫れ、炎症が広がっている。歯周ポケットのミゾはさらに深くなる。
「歯を支えている骨が、半分以上も溶けてしまっているので、嚙む力を支えられなくなり、グラグラです。
ここまでくると、歯を残すことは難しい。あまり骨がなくなってしまうと、入れ歯やインプラントなど、歯を失ったあとの治療も不利になります。
そうならないためにも、早めの歯周病治療と予防が重要だということです」
※写真と図版・鴨居久一編著、沼部幸博著『新・歯周病をなおそう 第2版』より
(週刊FLASH 2018年11月20日号)