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吉田戦車「さかあがり練習用ベルト」を買うも、寒さに敗退

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.19 12:00 最終更新日:2018.12.19 12:00

  吉田戦車「さかあがり練習用ベルト」を買うも、寒さに敗退

 子供関係の失敗買いものは書ききれないほどある。子供のためと思うと、財布の紐がゆるみがちということだろうか。オモチャはあまり買わないが、教育関係、スポーツ関係などはかなりゆるむ。

 

 最近とび箱の練習をしたいというので、電子ピアノ(伊藤が買った)のイスで練習させたりしたが、できれば本物のとび箱を買いたかった。踏み切り板もほしい。

 

 ともに2万円前後から売っているようだ。ついでに、とび箱が思いっきり跳べるような小さい体育館も建てたい。

 

 もちろんそんな甲斐性はないので、とりあえずYouTubeでとび箱の動画を見せた。

 

 子供用グローブもそんな買いものの1つだったが、あいかわらずぜんぜんキャッチボールなどしていない。

 

 私はとび箱は得意だったが、鉄棒関係は苦手だった。「うんてい」とかほとんどできなかった。娘は幼稚園の時に片道ぐらいならできたので、その意味では負けた。

 

 鉄棒だと、私はかろうじてさかあがりはできた。

 

 今もやろうと思えばできるはずだが、妻子に真剣に止められる。一度酔って身長ぐらいの鉄棒でさかあがりをしようとして、回れなくて何度かチャレンジしているうちに、踏み込んだ左太ももが筋挫傷してしまい、病院行きになったことがあるからだ。

 

 娘はまださかあがりができない。2年生の頃に何度か公園に行って「こうこう、こうやってこうだよ!」などといいつつ何度か練習をさせたが、なかなかできない。

 

 やはりYouTubeで動画を見せていて、タオルなどを使った練習法があることを知った。

 

 それも試してみつつ、それを応用した補助器具が売られていることを知り、迷わず買った。

 

「鉄棒くるりんベルト」2200円。両端を鉄棒に巻きつけ、中央部を腰にあてがうことで、よく指導されるポイントだが「おなかが鉄棒から離れない」回り方ができる。

 

 これを使って練習しているうちに、これなしでも「あれ? 回れちゃったー!」ということになるというしろものだ。

 

 ネット通販のレビューで☆4.5だから、なかなかの高評価。

 

 2、3度公園に持っていって練習しただろうか。だが、冬に買ったのが失敗だった。寒風吹きすさび鉄棒も冷えきっている公園に練習に行く根性は、父子ともに持ち合わせていなかった。

 

 暖かくなればやるかと思うと、春が過ぎ、夏になっても、さかあがりブームが終わったかのように、まったく練習しなかった。体育の授業内容も次々替わり、できない子はできないままで「まあいいや」となる。

 

 体育関係に財布はゆるむが、基本、私はインドアな人間なのだった。買いものをしたことで満足してしまい、とことん子供の練習につきあうような「スポーツ好きのパパ度」はとても低い。

 

 こんな文を書いたことだし、久しぶりに公園に行くか! と思ったりもするのだが、また冬が来た。

 

よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)。そして、『忍風! 肉とめし2』(小学館)が新発売

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載!

 

(週刊FLASH 2018年12月25日号)

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