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27年ぶり無冠「羽生善治」自分自身は前に進んでいかなくちゃ

ライフ・マネー 投稿日:2018.12.25 11:00FLASH編集部

27年ぶり無冠「羽生善治」自分自身は前に進んでいかなくちゃ

 

 12月24日、羽生善治が幼少の頃から通い、腕を磨いた「八王子将棋クラブ」が閉所した。羽生も23日に訪問し、「自分自身は前に進んでいかなくちゃいけないと思っています」とコメント。別れを惜しみ、感謝の言葉を語っていた。

 

 平成の将棋界をリードし続けた羽生だが、12月20、21日に行われた第31期竜王戦七番勝負第7局で広瀬章人八段に敗れ、竜王位を失い、27年ぶりに無冠となった。

 

 

 羽生もすでに48歳。かつて本誌の取材に、“ひふみん”こと加藤一二三が、終盤の甘さを指摘していた。

 

「2016年の第74期名人戦第2局で、羽生さんは詰みを見逃してしまった。さらに、朝日杯での藤井聡太六段(当時)との対局では、自分が詰んでいることに気がついていない様子でした。
 大山康晴名人は中原誠さんに負けたのが49歳。棋士として全盛期ギリギリです」

 

 現在、藤井聡太七段など、若手の台頭が著しい将棋界。多くの棋士は、インターネットを駆使して定石を学び、人工知能を相手に腕を磨いている。

 

 もちろん羽生は、コンピューターを使った将棋もきっちりと研究している。

 

「藤井聡太四段(当時)との『炎の七番勝負』での対局を機に、現代将棋をかなり研究しました。コンピューターの分析をもとに、『雁木』や『角換わり』という戦法を実戦で指すなど、進化しています」

 

 かつて観戦記者の椎名龍一氏が、本誌にこう語っている。
 実は、これまで羽生はコンピューター将棋と公式に戦ったことがない。

 

 コンピューター将棋戦である電王戦は、2015年度に「叡王戦」に衣替えした。第1期叡王戦は、羽生は多忙を理由に不参加。翌年の第2期叡王戦に参加するも、準決勝で佐藤天彦に敗れてしまう。

 

 さらに2017年は深浦康市九段に、2018年は菅井竜也七段に敗れた。

 

 2017年6月に放送されたNHKスペシャル『人口知能~天使か悪魔か2017』で、羽生はAIの将棋の打ち方について「シャベルやスコップで掘っていたのが、いきなりブルドーザーで一気に開拓していく感じがある」と語っている。

 

 ついに無冠になった羽生だが、将棋の歴史の中でも最強と言われる頭脳はまだまだ健在のはず。今後は、コンピューターとの対局もぜひ見てみたい。

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