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ニッポンにある“外国”「東京葛飾・リトルエチオピア」を行く!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.01.16 16:00 最終更新日:2019.01.16 16:00
食、宗教、言葉……異国の地で、同じ国の出身者が固まって住むのには理由がある。日本人と外国人が歩み寄って暮らしている東京都葛飾区の通称「リトル・エチオピア」へ、日本の将来を考えるヒントを探しに行った。
都内に住むエチオピア人は160人余りだが、その半数近い80人が、葛飾区に住んでいる。下町の雰囲気があふれる、四ツ木駅近くにある1DKの古いアパートの1室が、NPO法人「アデイアベバ・エチオピア協会」の事務局だ。
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「このへんは、家賃も物価も安い。小さな工場も多いので、仕事もあります。住民の方も気さくに、『元気?』なんて声をかけてくれます。
このアパートの大家さんも、外国人だからといって、分け隔てがありません。とても住みやすい町ですよ」(理事のアベベ・サレシラシェさん)
アベベさんは1996年に留学生として来日して22年。さまざまな仕事をしながら日本女性と結婚、永住権を得た。
「エチオピア人と日本人は、よく似ています。エチオピア人も挨拶では頭を下げ、敬語を使います。人に迷惑をかけないという考え方も同じです」
協会では、地元住民とコミュニケーションを図るため、いろいろな工夫をしている。
「日本人との交流会を年に3回開催し、エチオピアの料理や文化を紹介しています。心がけているのは『コミュニティ』を作らないこと。
我々、エチオピア人だけのコミュニティを作ると、日本社会と融和できない『水と油』の関係になってしまいますから」
エチオピア人の努力を、下町の義理人情が支えている。
(週刊FLASH 2019年1月22日号)