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健康診断の基準値に騙されるな!「血圧・血糖値」の真実

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.01.29 16:00 最終更新日:2019.01.31 11:16

健康診断の基準値に騙されるな!「血圧・血糖値」の真実

 

 続いて血糖値(空腹時血糖値)について。血糖値は、糖尿病の目安となる、重要な数値だ。

 

「これはほかのものに比べれば、気にしておくべき数値。検査結果はその都度、保存しておき、変化の推移を見たほうがいいでしょう」

 

【年代別・血糖値の「本当の基準」/現行基準は100以上が危険】
・40~44歳:81~112
・45~49歳:82~114
・50~54歳:82~115
・55~59歳:82~117
・60~64歳:82~116
・65~69歳:81~116


 HbA1cは、赤血球のヘモグロビンとブドウ糖の結合比率で、糖尿病の判断基準。

 

「これは直前の食事の影響を受けず、測定前約2カ月の生活の影響を受けた数値となります。3年続けて上昇していたり、正常範囲を超えていたりしたら、糖質の摂取量を減らすことと運動が効果的です」

 

【年代別・HbA1cの「本当の基準」/現行基準は5.6以上が危険】
・40~44歳:4.6~5.9
・45~49歳:4.7~6.0
・50~54歳:4.7~6.1
・55~59歳:4.8~6.1
・60~64歳:4.8~6.2
・65~69歳:4.8~6.2


 また、赤血球数、血色素量、ヘマトクリットなどは、貧血の目安になる。白血球数、血小板数らは、白血病や再生不良性貧血などの目安となる。

 

「赤血球数が加齢とともに少しずつ低下するのは、代謝が減って必要性が低下するからで、問題ありません」

 

 日本では2008年、40歳以上の健康診断が義務化された。大櫛氏が語る。

 

「健康診断が義務化されているのは日本だけです。欧米にこんな制度はありません。死亡率の低下や健康の向上、そして費用対効果。これらに対するエビデンスがないため、欧米では健康診断制度がないのです。

 

 日本では義務化と厳しい基準のため、無駄な治療と薬が増加しています」

 

 日本は、OECD加盟国でもっとも長寿の国でありながら「あなたは健康ですか」という質問に「はい」と答える人が約3割。加盟国中で下から2番めに少ないという。

 

「健康診断、人間ドックに意味がないとは思いません」と言うのは「おおたけ消化器内科クリニック」の大竹真一郎院長だ。

 

「生活習慣病は自覚症状がないまま進行します。それを健康診断や人間ドックで見つける必要があります。ただ、そのためには医療リテラシーを高める必要があります。

 

 多くの人が、何を検査したのかさえわかっていません。なんのための検査なのか、正しい数値は何か、なぜ医師は治療を進めるのかをしっかり理解すれば、ある程度の病気は防ぐことが可能です」

 

 健康診断を受けるだけでは寿命は延びない。むやみに数値に振り回されず、正しく理解し、対応することが重要なのだ。


モデル・保崎麗

 

※数値は大櫛陽一著『健康診断「本当の基準値」完全版ハンドブック』(宝島社)より抜粋(男性のデータ)

 

(週刊FLASH 2019年2月5日号)

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