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「ハマのギター大魔神」が850店から選んだ衝撃の天丼

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.04 16:00 最終更新日:2019.02.04 16:00

「ハマのギター大魔神」が850店から選んだ衝撃の天丼

「天重本店」のカレーかき揚丼

 

 全国850店超で天丼を食べてきた、クレージーケンバンドの人気ギタリスト「のっさん」こと小野瀬雅生が、愛する天丼への思いを綴りまくる! 食べている最中に頭の中で鳴り響く、ロック名盤も合わせて紹介してくれた。

 

「価格、天ぷらの種類・量・揚げ方、ご飯の炊き方、味噌汁の味わい、タレか出汁か……天丼の世界はじつに多様でありますが、ライバルであるカツ丼(勝手に決めてすみません)の多様性にはまだ及びません。

 

 

 スタンダードな玉子とじから、ソースカツ丼、醤油味、デミカツ丼、沖縄では玉子とじの下に野菜炒めが敷いてあるなど、カツ丼の自由度は大変に高い。

 

 天丼はまだまだ保守的閉鎖的ではないかと危惧されますが、今回念願かなって訪れた『天重本店』は違いました。頂いたのは、『カレーかき揚丼』。カレーは粘度低めで、辛さがピシッと来ます。

 

 小柱とイカと三つ葉のかき揚げは、さくさくと軽い仕上がり。このさくさく感とカレーが、絶妙なハーモニーを奏でるのだから不思議。30年も前に考えられたメニュー、と云うので驚きました。

 

【SHOP DATA/天重本店(東京・麹町)】


●カレーかき揚丼:750円(税込み)


「初体験のカレーかき揚丼は、老舗店の鋭く決まる『変化球』で絶品。お互いの良さを損なわないマッチングの妙は、ドゥービー・ブラザーズ『キャプテン・アンド・ミー』のトム・ジョンストンとパトリック・シモンズの如し!」


「いまは世界が様々な価値観の交錯で、不安定な時代です。そのど真ん中に天丼を置いてみたらどうなのか。そんなことを日々考えております。

 

 十数年前にニューヨークで食べた天丼は、レンコンがあく抜きされておらず、苦くてビックリしたのを覚えています。ですが、シンガポールで頂いた『天丼専門 銀座いつき』の特製天丼はバッチリでした。お昼時は長蛇の行列が出来る繁盛店。

 

 甘めしっかりの味付けが印象的。半熟玉子の天ぷらが載っているのが、日本の天丼の流行を反映してるのかと考えたり致しました。ちなみにこちら、本当に銀座にお店があって、同じ味を楽しめます」

 


【SHOP DATA/天丼専門 銀座いつき(シンガポール)】


●天丼:13.90シンガポールドル(税込み)


「異国の地で、天丼を食らう歓び。甘めの味が現地にフィットしたのか大行列店。じつは銀座の開店があとなんです。ベック・ボガード&アピス『ライヴ・イン・ジャパン』の凝縮度を思い出せ」


「そしてハワイでは、『柳寿司』にて天丼をオーダーしましたところ重箱に入っていて、これでは天重ではないかと憤慨。重箱は食べにくいので、避けたいところであります。

 

 しかしこの天丼が独自路線で、天ぷらとご飯の間に『天かす』がびっしりと敷き詰めてあったのです。これはこれで、天ぷらの醍醐味をたっぷり味わえるので、妙に感心したのでありました。

 

 世界の皆が『天丼ウマウマウー』を合言葉に仲良くなれるその日に向かって、少しずつでも前に進みましょう。何云ってんだオレ」

 


【SHOP DATA/柳寿司(ハワイ)】


●天丼:15ドル95セント(税込み)


「天かすに驚愕inワイキキ! マイケル・ジャクソンもミック・ジャガーも原辰徳も訪れた有名店。寿司もちゃんとウマイ。ジノ・ヴァネリ『ナイトウォーカー』の孤独感と共に味わいたい」


「さて、日本の名店と世界の天丼をご紹介しましたが、日本のチェーン店だってウマイのです。侮れません。天丼を誰もが気軽に食べられるポピュラーなものにしてくれたことを、天丼に成り代わりまして心から感謝しています。

 

 2018年末、ずっと気になっていた『いわもとQ』へ。都内に4店舗ある、立ち食い蕎麦チェーン店です。500円の天丼は軽めの揚がり具合でタレも程好い濃さでスイスイご飯が進む系でした

 一方『天丼てんや』は、期間限定メニューも充実。Wハンバーグ天丼にローストビーフ天丼、ブラックカレー豚天丼にロコモコ天丼と様々なアイディア天丼を発表し続けてくれています。

 

 邪道と呼ぶなら呼ぶが良い。ワタシはこのトライアルを祝福します。これからも天丼の活性化に尽力をお願い致します」

 


【SHOP DATA/いわもとQ】


●天丼:500円(税込み)


「丼にもマジメな改革者です」

 


【SHOP DATA/天丼てんや】


●てんや風ロコモコ天丼:販売終了


「天丼界の孤高の巨人といえるでしょう」 


取材&文/写真(銀座いつき、柳寿司、いわもとQ、天丼てんや)・小野瀬雅生

 

おのせまさお
1962年生まれ 神奈川県横浜市出身 結成から20年の「クレイジーケンバンド」ギタリスト、「小野瀬雅生ショウ」リーダー。変幻自在のギターワークで“ハマのギター大魔神”の異名をとる。A級B級問わず全国のうまいものを紹介するブログ「世界の涯で天丼を食らうの逆襲」(https://ameblo.jp/onose-masao)が好評。大のプロ野球マニアでもある

 

(週刊FLASH 2019年2月12日号)

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