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吉田戦車、「ヒゲをまきちらすな」の声に今日もヒゲそり水洗い
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.20 11:00 最終更新日:2019.02.20 11:00
ヒゲそり話の続き。
基本はずっと複数刃のT字カミソリを愛用しているのだが、電気シェーバーを買ったこともある。
あるが、合わなかった。
深ぞりになりすぎ、肌がヒリヒリしてしまう。
毎回皮膚を削られているような嫌な感じで、まったく使えず、7000~8000円だったか、バカにならない出費をしたのに、失敗買いものとなった。
その後、もう1回ぐらい別メーカーのものをおそるおそる買った。最初のよりはマシだったが、やはり気持ちよく使用できたとはいいがたく、すぐにまたT字カミソリに戻った。
店先で試し剃りできるわけでもなく、次々と買い替えて探すほどの意欲はなかった。
ネットショッピング以前の話であり、「購買者のレビュー」というものも、まだ世の中にほとんど存在していなかったのだ。
勤め人じゃないので毎日剃る必要もなく、T字で十分といえばいえるのだったが、その10年後ぐらいに、ようやく「これでいいや」と思えるシェーバーと出会うことができた。
購入は2011年6月。本体のシールに書き込む欄があり、律義に書き込んでいる。
三陸沿岸にボランティアに行っていた頃であるが、同時にムスメが1歳という時期でもあり、夏には節電も兼ねて、長野の妻の実家に妻子だけしばらく帰ったりしていた。
私も1、2泊合流する時に、無精ヒゲだとあちらのご両親に失礼かも。電気シェーバーを買おう、と思った。
20代、30代に買った時はまだインターネット時代の前だったんだなあ、などと思いつつ検索し、目に止まったのが、「パナソニック スーパーレザー ES3832P」。
8年後の今も現役商品であり、値段は2000円弱。当時もそんなものだったと思う。
失敗してもそれほど惜しくはない値段であるが、コスパも含めて評価が高く、失敗の可能性は低そうだった。
なにより、おお、わが愛する単三電池2本使用! すばらしい。
節電で照明を落としていた家電量販店でゲットした。
ヒゲが伸びぎみだと剃り残しも多いが、肌がヒリヒリするようなことはなく、私のテキトーシェービングには十分だった。
妻実家や旅先には2、3度携行したが、「わが無精ヒゲなど気にする者はこの世に1人もなし!」という真理に気づき、いっさい持ち歩かなくなった。
その後7年あまり、T字型と交互に使ってきた。
丸洗いできるということは、買って4年間ぐらい忘れていた。うわ本体に「WET/DRY」って書いてあるわー、そういえば……と。アホだ。
妻に「ヒゲの粉が飛び散って汚い」と苦情をいわれていた日々をつぐなうかのように、それからは使うたびに水洗いをし、専用オイル(パナソニックのをわざわざ買いました)をたまにさしたりして愛用している。
壊れたらまた買いたいので、廃版にしないでほしいと思います。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。近刊に本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)。そして、『忍風! 肉とめし2』(小学館)が発売中!
(週刊FLASH 2019年2月26日号)