【食堂のおばちゃんの人生相談】45歳・造船業のお悩み

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える！

【お悩み／圭（45）造船業】

　会社の命令でテレビ番組に出演したら、謝礼として5000円分の商品券をもらいました。上司に報告すると「それは会社のおかげでもらえたものだから、部署に納めるように」と言われました。恥ずかしいのを我慢してテレビに出たのに、納得がいきません。

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【山口先生のお答え】

　当たり前です！

　圭さん、会社の命令でテレビ出演したということは、言い換えれば会社に時間外労働を強制された、ということです。テレビ局から謝礼をもらうのは当然だし、本来なら会社から時間外手当が出てもおかしくないと思います。

　それを何、商品券を部署に上納しろですって？

　ふざけんじゃないわよ！

　なに考えてんのよ、このクソ上司が！　味噌汁で顔洗って出直せっつーの！

　もう、なんてひどい会社でしょう。もしかしたらひどいのはそのクソ上司だけで、他は良い人なのかも知れないけど、そんなクソ野郎の下で働かなければならない圭さんに、心から同情申し上げます。

　とにかく、商品券はあなたのものです。

　この号が発売されたら、部下や同僚にこのコラムを読ませてご覧なさい。皆さんきっと圭さんに同情して、クソ上司の株は暴落するに違いありません。

　圭さんは周囲から総スカンを食らう上司の姿を見物して、溜飲を下げて下さいね。

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合（東京都　千代田区）の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』（文藝春秋）が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』（角川春樹事務所）シリーズが好評発売中。最新刊『おばちゃん介護道』（大和出版）も絶賛発売中！

（週刊FLASH　2019年3月5日号）