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佐々木明子の「身過ぎ世過ぎ」街の声に時代の流れを感じるライフ・マネー 投稿日:2019.05.26 14:00

佐々木明子の「身過ぎ世過ぎ」街の声に時代の流れを感じる

佐々木キャスター

 

 六本木一丁目、テレビ東京近くにあるセブンイレブン。

 

 朝から少し喉が痛いのが気になって、のど飴を買いに入った。

 

 熱が出ても骨折しても、声さえ出ていればなんとかなるが、声を失ったアナウンサーはもはや存在意義がないわけで……喉の痛みには日頃から敏感にならざるをえない。

 

 今回も早め早めの対処が必要と、お気に入りのど飴をレジに持って行くと……目を疑った。

 

 白髪の、腰もずいぶん曲がった75~80歳?にも見えるおばあちゃんがレジを打っていて、早くよこせと、手を伸ばしてくる。電車の中なら間違いなく席を譲っているご年齢だ。

 

――あっ、はいはい。

 ふと横を見ると、おっ? こちらはおじいちん? 顔に刻まれた深いしわは、彼の長い歴史を思わせる。
 平均年齢を考えるとコンビニもずいぶん変わったものだ。

 

 あぜんとしている間に、「お会計320円です」と張りのあるお声で言われ、慌てて小銭を出した。

 

 すると、おばあちゃんは「これ、違いますよ」と百円玉を1つ戻してきた。

 

 えっ? 見ると、この間NYに旅したときの25セントだった。似ているので間違えて出してしまったのだが、このおばあちゃん、一目で見破った。クールである。なんてかっこいい。てきぱき動くその姿に、一種の感動を覚えながら店を出た。

 

 そしてある日。

 

 宅配の車のそばで荷物を出している若者2人の横を通った。

 

「俺さ~、給料35万だったんだよ、よくね?」

「おう、やるじゃん。4月は忙しかったもんな」

 

 若者よ。なかなかの金額ではないか。
 宅配は、ネット通販の拡大を受け、人出不足に陥っている業種のひとつ、高い賃金を提示しないと人は確保出来なくなってきたのだ。

 

 よく利用するカフェでは、たまに混乱が生じている。

 

 外国人が英語でオーダーしているのだが、受ける店員はアジアの人で、片言の日本語で対応しているため、よくよく聞くと会話がまったくかみ合っていない。こんな光景もずいぶん身近になった。

 

 私が担当する番組は「経済」がテーマで、テレビ東京らしくかなりマニアックな内容だ。

 

 とっつきにくいかもしれないが、実は経済は生き物である。
 時代にあわせ、物やサービスの形は変化し、人の生活や人生そのものも変わっていく。そして各国の文化と融合しながら世界に広がるのだが、そのダイナミックな様を毎朝、番組で確認できて刺激的である。

 

 日本の特徴は、もちろん少子高齢化による人口減少、老齢期に入ったといわれる経済だ。

 

 最近スタジオでは「人生100年時代」というフレーズがよく登場するように。いいか悪いかは別にして、これから、私たちの「働き方」は劇的に変わっていくと思っている。

 

 シニア世代はより長く働き、結婚出産した女性が安心して職場に戻れるよう、待機児童対策や教育無償化など、国もサポート態勢を整え、外国人労働者受け入れも加速している。

 

 いまや働き手=経済の担い手を確保しようとどこも必死だが、かくいう私の所属するアナウンス部も変化の過程にある。

 

 私が入社した頃は、女性アナウンサーは30歳になると仕事がなくなる「30歳定年説」があり、だいたいその年齢になるとフリーになる人が多かった。結婚しようものなら「お払い箱」も覚悟する、そんな時代だった。

 

 それが今や、空前のベビーラッシュ。斉藤一也アナウンス部長のもとで誕生した子供の数は、4年の間に12人。「子宝部長」の異名をとどろかせているが、その流れとともに、産休から戻ってきたママアナたちもニュースや情報番組と、時短を活用しながら活躍の場を広げている。

 

秋元アナウンサーと

 

 朝5時45分から7時5分までの早朝の経済番組『モーニングサテライト』に復帰した秋元玲奈アナもその一人。赤ちゃんが寝ている間にそ~っと家を出て、起きる頃には自宅に戻るという生活に挑戦している。

 

 最近の昼の会話といえば、「授乳は終わりました~」とか「子供が風邪をもらってきて私もちょっと」と鼻をぐずぐず。2人目のパパになった増田和也アナが1カ月の休みをとるなど、育メンも増えてきた。

 

 しみじみ隔世の感がある。

 

 そんななか、アナウンス部に希望の星たちが入社してきた。
 今年は女性アナウンサーがなんと3人、みなそれぞれ個性的。現在毎日研修で、夏前にはデビューだろう。でもふと立ち止まる。今は人手不足の日本も、彼女達が私の年齢になる頃は、まったく違う世界になっているに違いない。

 

 あるハイテク企業のトップが、小さい声で教えてくれた。AIが仕事を奪う時代が必ず来ますよ、と。

 

「佐々木さん、だってね、人間ってやっぱりミスをするでしょう。機械はそれがないし、文句も言わず、無制限に働かせられる。人を雇って固定費が増えるより、設備投資をしてロボットを導入したほうがいい」 

 

 たとえば金融はAIと相性がいいジャンルといわれているが、ゲストのアナリスト達は「2年後には僕の仕事はAIに取って代わられますから」とうなだれる。

 

 この間、リポートで表記ミスをしてしまった某氏は、「こんなことが続くなら、もうその部署は全部AIに変えよう」と上司に真顔で言われたそうだ。

 

 長くなっていく人生のなかで、私たちはどう働き方改革をしていくのか。アナウンサーもロボットに取って代わられるのか――。

 

 いやすべてではないはずだ。やっぱり人間の温かみや、滋味深さはロボットに必ずまさると信じたいものである。


ささきあきこ
1992年、テレビ東京に入社。2014年から『Newsモーニングサテライト』(月~金曜・午前5時45分~7時5分)のメインキャスターを担当

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