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介護問題、家督相続…40年ぶりに改定される「相続法」の注意点
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.06.13 11:00 最終更新日:2019.06.13 11:00
7月1日から、40年ぶりに改正された相続法が施行される。高齢化社会になり、家族のあり方が変わったことで、法律の手直しが必要になった。
おもな改正点のひとつは、高齢化による介護問題。典型的なのが「長男の妻が義理の親の介護をしても、一銭ももらえない」というパターンだ。今回の法改正で、法定相続人ではない親族でも、介護した労力を金銭として請求できるようになる。
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だが、木野綾子弁護士は、こう解説する。
「請求期間が『相続開始および相続人を知ったときから6カ月、または相続開始から1年以内』と限られています。
お嫁さんとしては、一周忌も終わらないうちに金銭の請求をするのは、遠慮もあって難しいもの。『実際の請求事例は少ないだろう』とみる専門家も多いですね」
木野弁護士がここ数年の急増を指摘するのが、「家族間の建物明け渡し訴訟」だ。
「70~80代の親御さんは、まだ『家督相続をしなければいけない』という考え方が強い。
次男一家と同居して世話になってきたが、家督相続だからと、『長男に家を相続させる』という遺言書を残したりするんですね。そうすると兄弟間でトラブルになり、『建物明け渡し訴訟』に発展するケースが多い。
こうなると、家から追い出すために、こちらが耳を疑いたくなるような嫌がらせを平気でします。仲がよかったご家族ほど、ちょっとしたボタンの掛け違いで、奪い合うようになってしまうんです」
相続はやり方次第で、数百万円の違いが出ることもあるし、親族で大バトルに発展することもある。“事実は小説より奇なり” という事態にならないためにも、「予習」が必要である。
(週刊FLASH 2019年6月18日号)