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ココイチ「成功の秘密」トッピングの組み合わせは1兆!?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.08.27 11:00 最終更新日:2019.08.27 11:00
いまや国内に1264、海外に180店舗と他の追随を許さない、外食カレーの王国「カレーハウスCoCo壱番屋(以下、ココイチ)」を築いた男・宗次徳二氏(70)。前のめりに歩んできた人生の原点には、不幸な生い立ちをも撥ね返す、“行きあたりばったり経営” があった!
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2015年、ココイチ創業以来、ルーを提供してきたハウス食品が、TOB(株式公開買い付け)をおこない、宗次氏と妻の直美氏は、保有株の大部分を売却。譲渡益は220億円とも報じられた。ハウスは、家庭用カレーのNo.1企業。ココイチとハウスがグループになれば、国内外での成長の可能性が広がるという判断だ。
ココイチ成功の最大の秘訣にして、宗次氏最大の発明が、トッピングだ。現在約40種だが、ご飯の量や辛さも変えられるため、計算方法によっては、組み合わせは1兆通り以上にもなるという。宗次氏はパレットに手書きされた創業時のメニューを取り出し、「今よりだいぶ少ないですけど」と開いてみせた。
「お客様のご要望どおりに提供しよう、と思ったんです。素人が勢いで始めたような店ですから(笑)。自分のお気に入りはビーフソースの2辛のやさいカレー、トッピングはイカですね。ビーフは創業時からの味で、美味しいんですよ」
宗次氏は1998年、500店舗出店を機に、直美氏に社長を譲り会長職に就任。2002年には浜島俊哉社長(現会長)の就任とともに「創業者特別顧問」となり、一切の権限をすっぱりと手放した。
「なぜ53歳という若さで引退したのかとよく聞かれますが、よい後継者が育ったということに尽きます。浜島は、19歳で1号店にまずアルバイトで入り、接客のイロハから教え込まれてきました。
尾西起店の店長だったときには、赤字閉店も経験しています。私の社長時代、500店のうち閉店したのは、まさにこの1店舗だけなのです(苦笑)」
一時は降格された浜島氏は、その後躍進のきっかけとなった大型店舗を成功させ、店舗拡大に力を尽くしてきた。
「大事な経営判断をする際、つねにそばにいた存在。覚悟ができたら引き受けるよう後継者指名をしたら、自ら継ぐと言ってくれました。その後、経営に口を出したことは一切ないです。アドバイスを求められても、『もうまかせたんだから、好きにやれば』と言ったら、まったく来なくなってしまいました(笑)」
7、8年前、浜島氏から「100カ国に2万店を出店したい」と構想を聞かされた。
「そのときは、壮大すぎて大笑いしました。インド出店も、最初は『カレーがいちばん売れるのはインドだ』という思いつきだったんでしょう(笑)。でも今は、2万店というのもまんざら夢ではないと思っています。ココイチのカレーは、世界に通用するものですから」
(週刊FLASH 2019年9月3日号)