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たい焼きの元祖「浪花屋」1匹焼くのにわずか30秒の神業

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.12.15 16:00 最終更新日:2019.12.15 16:00

たい焼きの元祖「浪花屋」1匹焼くのにわずか30秒の神業

 

「1匹焼くのに30秒。この道30年になりますから、息をするのと同じで、何も考えずその時間で焼けます。逆に、考えているうちは美味しいたい焼きは焼けませんね」

 

 2019年で創業110年になる浪花家総本店(東京都港区)の四代目、神戸将守さん(62)は一丁焼きのコテをリズミカルに動かしながら笑った。一日2000匹を焼くというこちらは、たい焼きの元祖。皮は、あんこが透けて見えるほどの極薄だ。

 

 

「主役のあんこを邪魔しないこと。皮はあんこが食べやすいようにくっついているだけです。最近はたい焼きに見合う小豆を探すのが大変。僕が小さいころは、北海道のどこでも、いい小豆が手に入ったけど」

 

 たい焼きを焼く職人は5人。年に1人か2人、弟子入り志願者が門を叩くという。

 

 

「ほかのたい焼き屋さんで働いていた人、自分で店をやっ ていてダメだった人。いろいろな人が来ます。一本立ちできるまで5年はかかりますね。その5年を我慢するのが難しい。もたない人がほとんどです。どうしても美味しく焼けなくて『もう焼けません』と、4年めに店を辞めた若い人もいました」

 

 厳しい世界だ。しかし神戸さんの代で、5人の弟子がのれん分けを許されて独立した。

 

「どこをもって合格点とするか? 僕にもわからないけ ど、5年修業したんだから頑張ってみろと。暇を見つけて彼らの店に行くのが楽しみです」と微笑む神戸さんだった。


●浪花家総本店
(住)東京都港区麻布十番1-8-14
(営)11:00~19:00
(休)火曜、第3火水 連休
1匹180円(税込み、店内飲食は200円)

(週刊FLASH 2019年11月26日号)

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