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次に来るクラフトビールは乳酸菌を使った「サワービール」

ライフ・マネー 投稿日:2020.01.17 16:00FLASH編集部

次に来るクラフトビールは乳酸菌を使った「サワービール」

左が下元店長

 

 近年、日本ではクラフトビールブームが巻き起こり、個性あふれる味わいを求める人が増えてきました。そんなビールファンの間で話題になっているのが、「サワービール」です。

 

 サワービールといっても、サワーとビールを掛け合わせたものではなく、酸っぱいビールのこと。サワーは英語で「酸味・酸っぱい」の意味があり、日本人が飲み慣れているキリッとした喉ごしで苦みのあるビールとはまったく違ったタイプです。

 

 

 乳酸菌やブレタノマイセスと呼ばれる野生酵母を使って発酵・熟成させるため、独特な酸味が生まれ、苦みがなく、さっぱりした味わいが特長です。もともとはベルギーやドイツなどで生まれたスタイルで、世界で最初に造られて飲まれたビールに近いといわれています。

 

 日本ではラガービールが長らく親しまれてきたので、酸味のあるビールはなかなか受け入れられなかったのですが、最近は香りや風味を楽しむビアスタイルが広がりをみせています。

 

「2~3年ほど前からクラフトビールを提供するお店が増え始め、ビールの味わいの違いを楽しむ文化が芽生えたことが大きいですね。サワービールは別名サワーエールともいわれ、日本ではまだ馴染みはないのですが、当店では種類豊富に取り揃えてあるので、飲み比べてください」と、アンテナアメリカ横浜店の下元浩彰店長がおすすめを選んでくれました。

 

左から「ロザリー」556円、「フルートランズ」695円、「グリーンゼブラ」556円(すべて税抜)

 

 セレクトしてもらったのは、アメリカ産サワービールの3種類。まず、ワイン用のブドウを使用して造った「ロザリー」。グラスに注いでみると、ビールらしからぬきれいなロゼ色。花のような香りにロゼワインに近いフレッシュな味わいは、女子受け抜群。

 

 次に試飲したのは、「フルートランズ パッションフルーツ&グァバ」。乳白色の混じったオレンジ色にトロピカルフルーツ感満載の香りで、口に含んだ瞬間、南国の景色が目の前に広がりました。

 

 最後は、カラフルなデザイン缶が目をひく「グリーンゼブラ」。スイカのフレーバーに塩がプラスされたユニークな味わいで、夏を感じさせる一杯。どれもサワービールのほどよい酸味が効いているので、フルーツを使っていてもすっきりとした後味。ビールの苦みが得意ではない私も、しっかり3杯飲み干しました。

 

「普段あまりビールを飲まない人や女性にも飲みやすいので、これから人気が高まっていくと思います。ジャケ買いならぬパケ買いしたくなるような、日本ではあまり見かけないポップなデザインも魅力です」と、店内にあるアートギャラリーのようなショーケースを案内してくれました。

 

 今年2月、アメリカの代表的なクラフトビールメーカー「ブルックリン・ブルワリー」が、世界初となる旗艦店を東京・日本橋にオープン。来春には、日本初上陸となるヨーロッパのクラフトビールを扱うフラッグシップショップが開店予定など、さらに盛り上がりを見せそうなクラフトビール界。

 

 世界的にもビールのトレンドが苦味から酸味を重視する流れに変わってきているなか、製法によってさまざまな酸味や甘味が味わえる「サワービール」は、これから注目のカテゴリー。2020年は、ワインのような感覚でビールの個性を楽しみましょう。

 

取材・文/トレンドウォッチャー くどうみやこ
 大人世代のライフスタイルからトレンドまで、時流をとらえた独自の視点で情報を発信。メディア出演から番組の企画、執筆、講演など、活動の幅は多岐にわたる。現在は『NHKジャーナル』『ホンマでっか!?TV』他、多数のメディアで活躍中

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