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【食堂のおばちゃんの人生相談】42歳・自営業のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.07 11:00 最終更新日:2020.02.07 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/妻は怒りん棒さん(42)自営業】
飲み屋で出会い、連絡先も交換せずに別れた “一夜限り” の三十路女性が、1カ月後、どこで調べたのか、私の本名のフェイスブックに友達申請をしてきた。彼女は、私が既婚なのは知っているはずで、対応するのが面倒だ。とはいえ、無視したら妻にバレるかもしれず、悩ましい。
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【山口先生のお答え】
答えはひとつ「触らぬ神に祟りなし」です。そういう面倒臭そうな女に関わるとろくなことはありません。深入りしちゃダメですよ。『危険な情事』という映画を観てください。怖いですよ~。
一夜の過ちは、一度だけなら “一夜の夢” で終わるのに、ズルズル後を引くとたいていの場合 “悪夢” に変わります。
人間関係というのは、深くなればなるほど相手に対する感情(この場合は執着)が増大して、関係を切るのが困難になります。別れ話も、交際3カ月よりは3年、3年よりは30年の方が揉めるでしょう。
男女の関係だけでなく、商売でも同じです。長年取引のあった会社を切るとなれば、様々な厄介事が生じるはずです。
ちょっと横道にそれますが、配偶者を失った喪失感の大きさは、愛情の量ではなく、一緒に過ごした年月に比例するのだそうです。
うちの母は父の悪口ばかり言っていたのに、父の死後3年で完全に別人になるくらいボケてしまったのも、45年間も一緒に暮らしていたからなのだと、その話を聞いて大いに納得しました。
そんなわけで、無視し続けてください。まったく反応がなければ彼女も諦めます。
諦めなければそれは “異常性格” なので、そのときは早めに一切を奥さんに告白して、許しを請いましょう。助けを求めましょう。夫婦で協力して彼女を撃退したら “雨降って地固まる” ですね。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中