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住宅リフォームも薬も…確定申告で「戻ってくるお金」5例
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.17 20:00 最終更新日:2020.02.17 20:00
人生には、大きなお金が必要になる場面がある。そんな出費に対し、じつは国や自治体から「戻ってくるお金」が多数ある。
その手段のひとつが、確定申告だ。
「支払った保険料に応じての『生命保険料控除』、盗難や災害で被災したときの『雑損控除』などがあります」(ファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢氏、以下同)
だが、正しい知識を持っている人は少ないという。
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「確定申告をすれば、住宅ローンの残高に応じて最大40万円も戻ってくるのに、みすみす損をしている人がいます。『医療費控除』も、所得が200万円未満なら、所得の5%を超えた医療費が所得控除されますが、見過ごされがちです」
たしかに、会社が年末調整をしてくれるサラリーマンにとって、確定申告は荷が重い。
「でも、昨年は配偶者控除などの記入が複雑化しましたよね。年末調整の書類を書くだけで大変です。パソコン画面に必要な項目を打ち込むだけで済む確定申告のほうが、むしろ簡単かもしれません。いまはスマホでも提出できますから」
面倒くさがらずに、確定申告を “味方” につけよう。以下では、前出の風呂内氏とファイナンシャル・プランナー井戸美枝氏の2人が監修してくれた、確定申告で「戻ってくるお金」の決定版を紹介する。
【贈与税】
●住宅取得等資金の贈与税の非課税/申請先:税務署
2021年末までに購入するマイホームの資金を、両親や祖父母から援助された場合、最大3000万円まで贈与税が非課税になる。購入時期により、非課税となる額は異なる。
2019年4月1日から2020年3月末までに消費税10%で契約した物件の場合、一定基準を満たす省エネ住宅は3000万円まで、それ以外の一般住宅は2500万円までの贈与税が非課税となる。
【所得税】
●特定増改築等住宅借入金等特別控除・住宅特定改修特別税額控除/申請先:税務署
ローンを組んで、マイホームにバリアフリー・省エネ・多世代同居のためのリフォームをし、一定の条件を満たせば、最大62万5000円まで所得税の控除を受けられる。
ローンを組まずにバリアフリーなどの改修をおこなった場合でも、一定の条件下で、最大35万円まで所得税が控除される。
【所得税・住民税】
●住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)/申請先:税務署
住宅ローンの年末時点での残高のうち1%が、一定の期間、所得税や住民税から控除される制度。2021年末までに住宅を取得する現行制度では、年末のローン残高の1%(上限40万円)が10年間控除される。10年間で最大400万円が戻ってくる。
ちなみに2020年末までに消費税10%で取得の場合、特例で控除期間は13年間となり、最大控除額は約480万円となる。
●医療費控除/申請先:税務署
医療費が多くかかった年に、医療費の一部を所得から控除する制度。「『実際に支払った医療費の合計額』-『保険金などで補填される金額』-10万円」が控除される。医療機関への支払いだけでなく、通院のための交通費も認められる。
●セルフメディケーション税制/申請先:税務署
健康診断や予防接種を受けていれば、市販薬を購入したときに、その金額に応じて収入から控除される。控除の対象となる市販薬は1600品目以上もあり、すべて覚えるのは無理だが、薬のパッケージに「セルフメディケーション税・控除対象」と書いてあるかどうかでチェックできる。
いどみえ
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。著書に『超ど素人がはじめる資産運用』(翔泳社)など
ふろうちあや
社会保険労務士・産業カウンセラーとしても相談・講演・執筆。著書に『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)など
(週刊FLASH 2020年2月11日号)