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【食堂のおばちゃんの人生相談】41歳・団体職員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2020.03.06 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/一児の父さん(41)団体職員】

 

 

 中学時代に私をいじめた同級生が、いまも数カ月に1回夢に出てきて、目を覚ますと寝汗をかいている。生涯、この悪夢に悩まされるのだろうか。

 

【山口先生のお答え】

 

 それはまた、難儀なことですね。いじめた同級生は、もしかしてあなたをいじめたことなんか忘れているかも知れないのに。

 

 私も小学校と中学校でイジメに遭って、当時は辛かったのですが、今は思い出すこともありません。多分その頃から「学校を卒業したら、この連中とは一生付き合うこともない」と割り切っていたので、ダメージが深刻にならなかったのだろうと思います。

 

 一方、今も時々夢に出てきて呻吟(しんぎん)するのは「このままでは卒業できない!」という大学時代の体験です。

 

 卒業が近づいたのに単位が取れないとか、講義に一度も出ていないとか、卒論の面接をうっかり忘れてすっぽかしてしまったとか、冷や汗もののオンパレード。もう大学を卒業して35年ですが、きっと一生、この悪夢はついて回るのでしょう。

 

 ま、私の場合は自業自得で仕方ないとして、あなたは違います。多くの場合イジメは、加害者はまるで自覚も反省もないのに、被害者は長年にわたってその記憶に苦しめられるようです。これは虐待する親を持った子供のケースとよく似ています。

 

 そこでお勧めなのが『毒親の棄て方』(S・フォワード著)という本です。この本には、親に虐待されて人生を狂わされた子供は、どのような方法で “毒親” を退治し、新しい人生を踏み出せば良いか、懇切丁寧に記されています。

 

 まずは相手に手紙を書いてあなたの被害を訴える。次は直接会って話し合う…………というより告発するわけですが、相手は罪を認めません。それならどうすべきか、大変具体的に書いてあります。どうぞご参考になさってください。

 

 でも、一番の処方薬は時間の経過と現在の幸せだと思います。あなたの今が幸せで、一日も早く忘れられるように祈っています。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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