「IR推進法」により、日本でのカジノ誕生が、いよいよ現実味を帯びてきた。しかしその一方で、依存症などの影響を心配する声も、いまだ根強い。政府は対応策として、2020年4月から、ギャンブル依存症の治療を公的医療保険の対象にすると決めた。
ギャンブル依存症には、グループで経験や現状を語り合う集団治療が有効とされる。今回、集団治療を実践している自助グループ「GA(ギャンブラーズ・アノニマス)」の参加者Cさんに、話を聞いた。
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「高校生でパチスロにハマりました。平日は仕事が終わってから閉店まで、土日は開店から閉店まで打ち、1日に20万円の勝ち負けをしたこともあります」
ドル箱が積まれ、「ほかの客が見ているのではないか」と感じ、夢中になっていった。自信のない自分が、認めてもらえる瞬間に思えたという。
しかし、25歳で初めて消費者金融から借金をして以来、43歳までの借金の総額は1000万円以上になった。
「何度も母に肩代わりしてもらいました。『借金は自分のお金』という感覚でした。融資枠が上がるのも、貯金が増えたような気分になりました」
結婚をしたが、またも借金。妻には言えず、「ばれたら離婚になる。黙っていてくれ」と、母親に口裏を合わせてもらった。
「妻には、47歳のときに打ち明けました。『次に借金したら離婚』と言われ、自助グループに行きました。そこで初めて自分が依存症だと気がつきました。
最初に自助グループに参加したときは、どのような場所か不安でしたが、いまは週に3回参加し、ほかにSNSで何度も参加しています。ひとりになると、またギャンブルをしてしまいそうで不安になります」
(週刊FLASH 2020年3月17日号)