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いったいどうなる「5G革命」友人とVR空間でライブビューイング
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.03.25 11:00 最終更新日:2020.03.25 11:00
2020年3月から、いよいよ一部で商用サービスが始まる「5G」(第5世代移動通信システム)。「高速・大容量」「超低遅延」「多数端末接続」が特徴で、現行の「4G」と比べて、速度は10倍、遅延は10分の1、接続可能な機器は30~40倍になる。
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NTTドコモは、2019年に開催されたラグビーワールドカップの際、「5Gライブビューイング」を実施した。
スタジアムに設置された複数のカメラの映像を自由に切り替える「マルチアングル視聴」によって、スポーツ観戦の臨場感を味わえ、5Gのスマホでリプレー再生も可能。試合中に気になった選手のデータを引き出すこともできる。
同様にKDDIは、プロ野球の公式戦で、マルチアングルでの動画配信を実証。ソフトバンクは、ゴーグル型デバイスを使ったVR技術と組み合わせて、バスケットボールやプロ野球の試合で実験をおこなった。
「これまでたくさんの実証実験を見てきましたが、マルチアングルの観戦方法は、あまり心には刺さりませんでした。5Gの通信部分はたしかに速いんですが、どうしても映像の圧縮・解凍などの処理に、若干の時間がかかるんです。
そのため、目の前で見ている動きと端末の映像では、ズレが発生してしまいます。この点がまだ解決できていないので、観ていて、若干、イライラします」(スマホジャーナリスト・石川温さん、以下同)
会場以外の場所での観戦であれば、タイムラグを感じずにすむという。
「友人と同じVR空間に入ってスポーツ観戦するとか、コンサートを楽しむといった使い方であれば、没入感が高くなると思います。1~2年で実用化できます」
実現すれば、好きなアーティストのコンサートを、自宅にいながら最前列で観ている気分になれる。
いしかわつつむ
スマホジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)が発売中
写真・時事通信
(週刊FLASH 2020年3月17日号)