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【食堂のおばちゃんの人生相談】48歳・飲食店経営者のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.20 11:00 最終更新日:2020.04.20 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/脱サラ親父さん(48)飲食店経営】
最近雇ったバイトの大学生が、平気で嘘をつく。掃除をやったか訊くと「ハイ!」と返事だけはいいが、どう見ても汚れたままだったり。クビにしたいが、SNSでうちの店の悪口を書かれそうで面倒くさい。こういう若者には、どう対応すればいいですか?
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【山口先生のお答え】
う〜ん。ブラックバイトもある一方、こういういい加減なバイトもいるわけですね。
私も食堂の主任になった当初、新人のパートさんが入ってきたとき、口であれこれうるさく言わなくても、自分が率先してキチンと働いていれば、その背中を見て続いてくれるだろうと思ったのですが、認識が甘かったです。
まず、言葉で指示しないとダメ。口で言ってもわからない……つーか、言い漏らしたことはやらない(出来ない?)。仕事の種類と手順を紙に書いて渡したりしましたが、それでもやらない(出来ない?)人はやらないんですよね。
私は社員食堂の雇われ主任でしたが、あなたはオーナー店主ですから、事態は一層深刻です。ダメなバイトに払うお金が勿体ない。とっとと追い出すべきです。クビにするのは面倒なので、自主的に辞めてもらいましょう。
とにかく徹底的にダメ出しをすることです。掃除をしたと言ってしていなかったら、昔のテレビドラマの姑のように、指で机や窓ガラスをこすって「では、どうしてこんなに汚れているのか?」と詰め寄ったり、バイトが何か作業を始めたら「それじゃダメだろう、こういう風にやりなさい!」と手本を示したり、ありとあらゆる場面で文句をつけてやり直しをさせて下さい。
キモは「叱るのではなく、手本を示して教える。そして作業をやり直させる」です。バイトは日ならずして居たたまれなくなり、自ら退職を申し出るでしょう。
不況の時代に飲食店経営は大変だと思いますが、立派なバイトさんも大勢います。気を落とさずに頑張って下さいね。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中