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『江戸前の旬』原作者が語る「活き甘エビは、まったく甘くない」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.20 16:00 最終更新日:2020.04.20 16:00
マンガ雑誌『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で、1999年から今も連載が続く、“老舗” の寿司漫画『江戸前の旬』。寿司の具である “タネ” のエピソードを中心に、すでに100巻が発売されている。原作者の九十九森先生が、「寿司ウンチク」を存分に語ってくれた。
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「昔、生きた『甘エビ』を食べたことがあります。あるお店が、活けものをわざわざ取り寄せて、食べさせてくれたのですが……味がまったくない。
じつは甘エビは、死後に酵素が分解されて甘みに変わるので、獲れたての活きのいいのは甘くないんですよ(笑)。数時間たって、ようやく甘くなります。その甘さの正体は、出てきた “とろみ” が舌に残って、甘く感じるというもの。
ほかのエビにも同じことがいえる。
「たとえば、車エビの『踊り(食い)』ってありますよね? 甘エビと同じ理由でエビ自体には味がないから、じつは食感がコリコリしていておもしろいだけで、まったく味がない。
車エビは、活けものを仕入れて、ゆでて人肌ぐらいに冷まして食べるのが、香りもよく出て味が複雑になり、一番ウマいです。食べているうちに味が変わっていき、“七色の味” といっても過言ではありません。ただ冷めすぎると、香りがなくなってしまう。ちなみにそれは、カニも一緒です」
つくもしん
青森県出身 漫画原作者 作画担当のさとう輝先生とコンビで週刊漫画ゴラクで連載中『銀座「柳寿司」三代目 江戸前の旬』、スピンオフ作品の『寿司魂』『旬と大吾』『ウオバカ!!!』などを執筆。メディアへの出演は、連載20年で「ほとんどない」そう
(C)九十九森/さとう輝・日本文芸社
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