また、本誌読者に多い中高年世代のカップルにとって、女性の更年期は、ある意味チャンスという。
「加齢による体の変化を言い訳にして、『これからは、こうしていきたい』などと、要望を自然に伝えられますからね。『今まで我慢してたんだけど』みたいな言い方をすると、相手も傷つきます。だから『体の調子がね……』という話にすれば、波風も立ちにくい。
具体的な例を挙げると、指での性器刺激が痛いと感じているのなら、『最近粘膜が薄くなったみたい』というふうに伝えればいい。男性を傷つけずに注文を出しやすくなるわけです。お互いがセックスを楽しめるのがゴールですから」
今回の著書には、さまざまなテクニックや、パートナーとの会話のきっかけが詰まっている。新しい性生活様式でのセックスは、大事な相手とのコミュニケーションを “密” にすることが何より大事だ。
「本を読んでいただければ、なんらかの気づきになると思うんです。1冊めは男性向けに書いたんですけど、予想外に女性の読者が多かった。だからそれ以降の本は、男女両方に向けて書いています。
男性も女性も、コロナによって距離感が変わったこの世界で、気持ちのいいセックスを目指していただければと思っています」
以下では、宋先生が教える「withコロナのセックス」のポイントをご紹介する。
【withコロナのセックス……ポイントはどこ?】
《アラフォーおすすめ体位》
●正常位:男性が女性の腰をしっかり支える
女性が力を抜きやすい体位で、腰を支えて挿入。小さめのペニスでも外れにくいし、男性も動きやすい。余裕があればクリトリスをさわって、性感をさらに高める。
●対面座位:女性は上半身を男性に預ける
男性が、あぐらなど楽な姿勢で座り、女性が乗って挿入。女性側が腰を揺する(男性が腰に手を当て、誘導してもいい)ことで、リラックスして快感が得られる。
●バック:ゆっくり動いてじんわり刺激
いわゆる寝バック。女性は足を閉じてうつ伏せになり、男性が体重をかけて挿入する。激しいピストンができないので早漏防止、女性はクリトリスが擦れて快感が高まる。
●騎乗位:クリトリスも擦れて気持ちいい
女性が男性に抱きつくようにし、体重は両腕で調整。ペニスが小さくてもGスポットを刺激しやすく、女性はオーガズムに到達しやすい体位である。
《おすすめの指テクニック》
小陰唇を開き、中指を膣内に挿入。痛みがないよう注意。Gスポットは尿道の下、膣のおなか側にある。快感で充血すると膨らむため、ゆっくりとリズミカルに刺激をしよう。
そんみひょん
1976年1月23日生まれ 兵庫県出身 大阪大学医学部卒業後、いくつかの病院勤務を経て、川崎医科大学講師、博士課程修了。2017年、『丸の内の森レディースクリニック』を開業。著書多数。100万部を超えるヒットシリーズをまとめた『女医が教える本当に気持ちのいいセックス いいトコどり!』(ブックマン社)が絶賛発売中
(週刊FLASH 2020年11月3日号)