「俺で、いいの?」「ほかに誰がいるの?」「あ、そうか」。彼はそう言うとキスをしながら私を押し倒した。彼は耳元で何回も私に大丈夫かと尋ねた。手慣れた手つきで自分のイチモツにコンドームをつけた彼は、私のアソコを指でほぐした後、ちょっとずつゆっくりと、でも強く押し当て私のアソコに挿入しようとしてきた。それはいままで味わったことのない衝撃だった。怖い。痛い。きつい。私のアソコ壊れちゃう。苦痛で顔が歪む。こんな大きいのが私の中に入るわけがない。ちょっとずつ私のアソコを侵していく彼に無言で首を横に振る。これ以上は無理だと表情で訴える。
でも彼は体勢を変え、角度を変えて、私とひとつになろうとする。閉じていた場所を無理やり押し広げられる感覚。拒否したいほど苦しいのに、私のアソコは彼の大きなイチモツを少しずつ飲み込んでいる。私の体、どうなっちゃうの。痛さですべての思考が止まろうとしたとき、私の体の上で恍惚の表情を浮かべる彼の顔があった。あんなに無理だと思った彼の大きなイチモツを、私のアソコは根元まですべて受け入れたんだとそのとき知った。
「動くよ」。彼の言葉とともにズン! とまた痛みが走った。気を失うかと思うくらいの痛みのなかで、私は彼の腰が動く姿を見ていた。奥を突かれながら、耳元では大好きな彼の低い声が聞こえる。彼の声に喜ぶ脳のせいで体の痛みまで幸せだと錯覚しそうになる。痛さだけに気持ちが持っていかれた彼との初セックスは、彼がコンドームの中で射精してやっと終わった。
しばらく痛みとズシンとくるおなかの違和感で放心状態だった。体が重い。私の体じゃないみたい。でもやっとのことで布団から起き上がるとそこは血の海で、事件現場のような状態になっていた。そのままお風呂場に行き、ヒロ先輩と2人全裸のまま布団のシーツを一緒に洗った。そのときなぜだか2人で顔を見合わせて笑い合った。
で、結局初体験は気持ちよかったのかって? まさか。初めてにいい思い出は全然ない。とにかく痛くて、でも痛いって言っちゃいけない気がして…。今考えてみたら、ちゃんと濡れてなかったのかな? なんて思えるけど、確実に気持ちいい感覚とは真逆だった。
これが、私の初体験の記憶。その後、ヒロ先輩とはかなりの回数のセックスをしてアソコもずいぶんほぐされて、だんだんセックスの気持ちよさもわかるようになったけど、半年後、遠距離恋愛が始まって、すぐに私は彼にフラれてしまった。でもそのおかげで、私はますます大好きなお芝居に集中することになる。そして、天職にも出会えた。セックスが好きになった今は、初めての痛さも全部いい思い出。
こがわいおり
大阪府出身 T155・B83W58H88 2012年にAVデビュー。「恵比寿マスカッツ」の元メンバー。2017年、「スカパー! アダルト放送大賞2017」でサイゾー賞を受賞。趣味はスポーツ観戦。そのほか最新情報は、公式Twitter(@kogawaiori)、公式Instagram(@kogawaiori)にて
写真・八坂悠司
スタイリスト・田中陽子
ヘアメイク・高橋優奈