Bさんは、彼氏のために配信を始めた。平日は派遣社員として事務作業に従事する一方で、週に2回、彼氏との“コラボ配信”にどっぷりと浸かっているという。
「同棲中の彼氏が稼げなくなったんです。彼氏はもともと自宅でゲームばかりやっていたダメホスト。特に緊急事態宣言が発令された一昨年からは、収入がなくなりました」
同棲しているマンションは家賃月12万円。Bさんの収入だけでは生活が苦しかった。そんなときに、彼氏が“稼げる”と持ちかけてきたのがライブ配信だったのだ。
「一般人が、ごく普通の雑談をしたところでお金を稼げるわけありません。彼氏からはエロい内容を配信しようと持ちかけられました。最初は嫌だと断わったんですが、すすめられた『Y』は、クリエイター支援プラットフォームと銘打ってあり、同人漫画家やイラストレーターの方が自分の作品を発表する場として利用していたので、少しエロいことをすれば簡単に集客できると説得されました。
お金も必要だし、仕方がないので下着姿と自慰動画の2本をアップしたんですよ」
『Y』も、ファンが月額有料プランに加入すると、その何割かがクリエイターの収入となるシステムだ。
派遣先企業の服装規定が厳しく、派手なネイルをせず、髪も黒髪だったBさんは、見た目とのギャップがウケたのか有料プランに加入するファンも50人を超え、月10万円以上の収入があったという。しかし、昨年10月に突然、アカウントが凍結。強制退会させられてしまった。
「彼氏とのほとんどハメ撮りのような動画を配信していたのですから、当然といえば当然ですよね。局部はなるべく見えないようにしていましたが、無修正でしたし……」
今年になってAさんと同じ「X」で活動を再開し、日々ファン獲得にいそしんでいるという。ダンサーのFanaさんは、コロナ禍で活動を制限されたため、配信活動を始めた。
「イベントは中止になるし、飲食店も閉まるし、ダンスを披露できる場所がなくなりました。同じ業界の仲間と会う機会も減ったので、交流するために始めました。“攻めた”水着でパフォーマンスをすると皆さん喜んでくれるので楽しいですよ。豊胸手術を受けたことを公表しているので、女性視聴者から豊胸の相談を受けることもあります」
“エロなし”のお悩み相談だけで月30万円も稼ぐのは、樹莉さんだ。SM業界では名の知れた“専業女王様”だという。
「身の回りにいないタイプの女に会いたいんじゃないですかね。毎日3時間は配信していますが、時事問題や視聴者の人生相談が多いです。女王様は、相手が何を欲しがっているのか察するのが仕事。それが生かされています。視聴者と一緒にライブ配信を盛り上げる雰囲気が好きなんです」
四者四様の配信事情。女たちの“裏の顔”は刺激に満ちている。