村西 私の「白ブリーフ」でございますか? 私の父親が傘売りの行商をしておりまして、もしも交通事故で病院に運び込まれたりなどしたとき「ふんどしが汚れていたらみっともない」と、いつも真っさらの白いふんどしをつけておりました。
息子の私にも「いつも白いパンツを穿け」と。ですから特別なことではなかったのです。白いパンツから真っ黒な男性器が出たときのコントラストは最高です。
人気を博しました「顔面シャワー」も偶然の産物でございます。女優さんに挿入していたスタッフが、出しちゃいけないところで出してしまい、それが女優さんの顔にかかってしまった。
普通だったらNGですよ。ですが、射精がシャワーのようだったので「顔面シャワー」と命名して作品にしました。おかげさまでシリーズ化もいたしました。
代々木 そうだったんですか(笑)。それは初耳だなあ。
村西 「駅弁ファック」についてもお話しいたしましょう。それは私がホストをしていたころ、お花のお師匠さんとシているとき「そのまま立って」と言われ、やっと立ったら今度は「そのまま歩いて『弁当、弁当』と言って」と。お望みどおりに言ってさしあげました。
するとお師匠さんは「ぎゃ〜!」と叫んで果ててしまったのです。亡くなったご主人が駅弁売りだったそうです。常に新しいものが求められるAVで、ふとそのことを思い出して再現したわけでございます。
代々木監督の心に残る女優さんはどなたでしょうか。
代々木 南智子(※3)、渡辺美乃(※4)、栗原早記(※5)の3人ですね。性感マッサージを得意とする南ですが、明るくて聡明な女性でしたね。そしてテクニックと言葉で男をガンガン責める。
渡辺は妖艶さと母性を兼ね備えた女性でした。そして男のオーガズムを追求した作品で初めて男優を失神させたのが栗原でしたね。男優は加藤鷹でした。
村西 私はやはり黒木香(※6)です。お父上は東大卒で財閥系企業の重役。躾が行き届いたお嬢さまでした。イタリア語で書かれた本を読んでいましたね。
「撮影が終わったら、イタリアに宗教芸術の勉強に行くんです」と。撮影前には官能小説の大家である宇能鴻一郎、川上宗薫の小説から抜き出した猥褻な言葉を大学ノートページにもわたり書いてきてびっくりさせられました。
※写真提供・『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』(発売元:ミッドシップ DVD発売中) (C)2010 ゴールド・ビュー/スターサンズ/石岡正人
※3/ライター、性感エステティシャン。痴女ぶりから「言葉責めのカリスマ」の異名も
※4/出演本数は少ないが、アテナ映像『平成淫女隊』『お姉様淫女隊』シリーズで活躍
※5/沖田ゆかり、咲田葵らと1980年代後半の淫乱AVブームを牽引。後年は監督に
※6/デビュー作『SMぽいの好き』で時代の寵児に。文化人としてもテレビに多数出演