女子アナ日下千帆の「美女は友達」地域密着型の介護施設代表

柏村さん（左）と日下アナ

　女性のキャリアは多種多様。『美女は友達』は、人生を謳歌する女性たちのキャリアインタビューです。

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　5月は母の日、6月は父の日と、年を重ねて変化していく両親の様子を思うことの多い季節ですが、仕事を持ちながらすべてのケアをしていくのは難しいと懸念されている方も多いのではないでしょうか？

　そのような需要に応えるため、ネット上には、たくさんの介護施設の広告が掲載されています。介護施設選びで、立地や費用を最優先に考えるのは仕方のないことですが、できることなら高齢者に対して愛情をもって接してくれるスタッフがいる施設にお願いしたいものです。

　今回ご紹介する美女は、カラーセラピストであり、介護施設の代表を務める柏村かおりさんです。ご両親の介護を経験し、セラピストとして愛のある介護のあり方を考え、実践していらっしゃいます。

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　1987年に相模女子短期大学で食物栄養学を学んだ柏村さんは、新卒で建設会社に入社したのですが、ご結婚を機に21才で退社。

　その後5年ほど、フリーランスで化粧品会社のカラーアナリストとして活動し、2000年1月に、カラープランニング会社を設立。高齢者施設の建物における色彩計画に携わっていました。

　横浜のホテルとも契約を交わし、ブライダルのカラーアドバイザーとして年間、約1000組のカップルにドレスや式場装飾の色彩アドバイスをしてきたそうです。

「当時はカラーコーディネーターの資格なんてありませんでした。ホテルに営業に行っても、『ドレスの色は新婦が決めます』と言われて断られることも多かったのですが、色によって女性がきれいになっていく様子に惹かれ、絶対にこの仕事をしたいと思いました」

　素晴らしい先見の明をお持ちです。柏村さんは、その後も色彩の勉強を続け、2003年にイギリス発祥のカラーセラピー・オーラソーマのインストラクター資格を取得しました。

「オーラソーマの勉強会は、フィジー、オーストラリア、スペイン、イギリスなど世界各国で開催されたため、さまざまな国を訪れました。学びの時間であると同時に、自分の内面とも向き合う時間でした。この頃は、とても楽しく、充実していました」

カラー講座も人気だった（2010年頃）

　しかし、10年ほど前からお父様の介護が始まり、お仕事と介護を両立させる生活へと変わっていきました。そして、しばらくするとお母様も介護が必要な状態になってしまったのです。

「デイサービスに預けたいと探しましたが、うまくしゃべれない状態だったので、心配でした。愛情をもって見てくれるところが見つからないならば、私がやろうとデイサービスを立ち上げました」

　2019年4月、地域密着型の介護施設『ローレル横浜』をオープンしました。

「自分の思い描いた、心のこもったサービスを実践しています。食事やデザートはすべて手作りです。両親を介護した2年の経験から、入所者がどんな味や柔らかさなら食べられるのかもわかります。

　また季節に合わせておこなわれる、七夕、夏祭り、ハロウィンなどの年間行事にも工夫を凝らし、お誕生日には手作りケーキも作りますよ。

　食物栄養学科で学んだことはもちろん、これまで自分の会社で経験したすべてのことが、現在のお仕事に生かされています」

　そして、この施設の最大の特徴は、毎週金曜日に開催されている「移動スーパーとくし丸」によるマーケットです。

「デイサービスはお金を持ってこないのが常識ですが、お金の計算やレシピを考えることで、脳が活性化されるのです。また、ご家族から買い物を頼まれるようになると、人の役に立てるという自信もついてきます」

　送迎つきのため、重い荷物を運ぶ必要もありません。至れり尽くせりですね。

「父の介護を経験して、初めて無条件の愛という言葉の意味がわかりました。ただ存在してくれるだけでいい。身内以外にも同じ愛情を持てるとわかったことが、介護施設を始めるきっかけです」

　あと数年で団塊の世代が介護施設を利用するようになります。これまで育ててくれたご両親が、人生の後期を快適に過ごせるよう、愛情のあるスタッフに出会えるというのは、施設選びにおいて外せないポイントとなるはずです。

●日下千帆（くさかちほ）

　1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も