芸能・女子アナ芸能・女子アナ

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」巣ごもりの日々、建築模型にはまる

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.05.28 16:50 最終更新日:2021.05.28 17:26

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」巣ごもりの日々、建築模型にはまる

フランク・ロイド・ライト「落水荘」の模型

 

 まもなく6月。みなさん、この1年で、昔とライフスタイルは変わりましたか?

 

 ちまたでは、コロナ禍で住宅やマンションが売れているという話を聞きます。私自身、家で過ごす時間が増えたせいか、住居について考える機会が多くなりました。

 

 部屋に積み上げた洋服や荷物をどう断捨離するかが、いつもの悩みですが、住宅雑誌を見たり、机や棚の位置を変えてみたりするのは、いい気分転換です。

 

 

 先日、日本で初めて、建築模型を眺めながらくつろげる建築好きのためのカフェを見つけました。新宿伊勢丹の裏の雑居ビルにオープンした「アーキテクチャカフェ棲家(すみか)」です。

 

 建築好きが集い、語り合える空間を目指したという広々した空間。各テーブルに世界の名建築家が手がけた近代建築の模型12点が展示されています。

 

 建築模型は、すべて「テレビチャンピオン」模型優勝者、株式会社大和工藝の林洋平氏が制作・監修した作品です。林氏にお伺いしました。

 

「有名な建築をというご依頼で、何を作るかは(経営会社の社長である)橘さんと一緒に決めました。

 

 図面がなかったので、ネットを駆使。探してみると、ライトの手書きの設計図や数々の写真、3Dの動画などいろいろな情報があるのですね。建物の写真を確認しながら、設計図と異なる部分は手直ししました」

 

 ひときわ目立つフランク・ロイド・ライトの名建築「落水荘」は、1メートル角の大作で、林氏がアシスタントと1カ月半かけて制作した渾身の模型。

 

 水の落ちる滝から庭の木1本1本、細部まで実にリアルに再現されています。他にもサヴォア邸(ル・コルビジェ)、フィッシャー邸(ルイス・カーン)、イームズハウス(チャールズ&レイ・イームズ夫妻)、シルバーハット(伊東豊雄)、鉄の家(隈研吾)など、建築好きでなくても、なにかで目にしたことがありそうな内外の名建築の模型が並んでいます。

 

 こんな住宅があるのだなぁと、感心と憧れが。

 

「いいものができたと思うまで作りこみたい。ご覧になる方が『すごいな』と思うか、『しょぼいな』と思うか。また『すき間が空いてる』とか『パーツの木が倒れていないか』とか、納品した後も心配がつきません」と林氏。

 

 お茶を飲みながら、上下左右、あちこちの方向から模型を眺めている人もいれば、店内を歩きながら、テーブル上の模型を一生懸命撮影している人もいます。

 

「お客様が模型をずっと眺めていられる店を作りました。また、店内には、建築士や不動産のスペシャリストが常駐しており、建築や不動産に関する相談ができます。建築家・インテリアデザイナーの方はコワーキングスペースとして使用いただくことも可能です」と店長さんが説明してくれました。

 

 麻布十番の甘味処「天のや」の人気玉子サンドも美味しく、つい長居してしまう面白い空間です。

 

■折り紙建築の精巧さに感嘆

 

 建築を眺める楽しさと言えば、6月3日までの会期ですが、江東区の竹中工務店東京本店1Fギャラリーエークワッドで開催中の『オリガミ・アーキテクチャー 一枚の紙から世界の近現代建築を折る』は興味深い展覧会です。

 

 約80点にのぼる近現代建築の折り紙の展示とあわせて、折り紙建築の歩みやその制作過程にも注目し、子供から大人までが建築を楽しめる方法として、折り紙建築を紹介しています。

 

 そもそも「折り紙建築」とは何ぞや。それは、建築家で東京工業大学名誉教授の故・茶谷正洋氏が考案した「新しい芸術様式」で、一枚の紙から建物を作ってしまうのです。

 

 技術の高さは比較になりませんが、ポップアップカードを思い浮かべてください。往復はがき大からA2を二つ折りしたサイズで展開する紙の造形です。

 

茶谷正洋氏が作成したアムステルダム

 

 Amazonで折り紙建築に関する書籍を見ると、その人気は海外にも広がり、また茶谷教授の後を継ぐ優れた折り紙建築家が何人も存在することがわかります。

 

 そのひとり、木原隆明氏は図録で折り紙建築を「引き算の美学」と表現しました。

 

 あくまでも忠実に現物に近づけようとする模型とは逆に、象徴的な特徴を捉え、思いきって単純化することで、建物の形のエッセンスを見せる折り紙建築。

 

 陰影が際立つ白やアイボリーの紙でできた作品は非常に繊細で、紙にカッターで切れ目を入れ、谷折り、山折りを繰り返して世界中の建物を再現してしまう、神業ならぬ「紙技」のすごさ。

 

 ここに切れ目を入れて折ったら、この形になるだろうと想像できる頭脳にも感心しきりです。

 

 展覧会では、折り紙建築の設計から完成までの過程を紹介するほか、来場者自らが折り紙建築を動かしたり、作って楽しめるハンズオンコーナーも設置されています。

 

 茶谷氏は生前、ワークショップで折り紙建築の作り方を指導し、「海外旅行が難しくなっても、折り紙建築をつくれば世界中に出かけて観光気分になれる」と話したそうです。

 

 雨降りの週末、いつかそこに行ける日を夢見ながら、折り紙建築に挑戦してみようと思います。

 

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

もっと見る

今、あなたにおすすめの記事

芸能・女子アナ一覧をもっと見る