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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」進化する万華鏡の世界にはまる

芸能・女子アナ 投稿日:2021.09.24 16:00FLASH編集部

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」進化する万華鏡の世界にはまる

MIKIOさんとカラフルな作品

 

 日に日に秋めいてくる今日この頃、東京・渋谷のBunkamuraで、恒例の『Bunka祭2021』が開催されています。

 

 吸い込まれるような深いブルーの万華鏡の写真のポスターにひかれて、1階ギャラリーで開催中の「万華鏡展2021」(~9月28日)に入ってみました。

 

 同展は日本最大級の万華鏡の展覧会で、今年で19回目。コロナが流行する前は入場するのに40分待ちだったという人気のイベントです。

 

 

 内外のトップアーティスト約50人の最新作が一堂に会し、作家さんと話ができることも人気の秘密でしょうか。

 

 私が訪れた日、もちろん万華鏡を真剣にのぞきこんでいる人たちがたくさんいましたが、作家さんも来場者も和気あいあい、とにかくにぎわっているのが印象的でした。

 

 髪もマスクも蛍光色に染めて独特の万華鏡を作る新人作家のMIKIOさんに、「It's cool!」と声をかけながら、作品を手に取る外国の方。「Did you make it?」「ハイ、私が作りました」……英語と日本語でも、しっかり会話が通じているのが2人の笑顔でわかります。

 

 若手の香川千幸さんは、この世界の第一人者の山見浩司氏のワークショップに参加したことがきっかけで、研鑽を積みプロになった方。優しいパステル調の雰囲気の万華鏡は「コロナ禍なので、『癒し』というイメージで作った作品です」。話を伺うと、それぞれの万華鏡にストーリーがあることがわかります。

 

 私が心ひかれた美しいポスターは、かたおかきくよさんという人気作家のデビュー10周年記念モデル「Storia」という作品でした。私が訪れたのは2日目でしたが、かたおかさん作品は半分がすでに売れていました。1本数万円もするのですが、ファン垂涎の的です。

 

 万華鏡というと、小学生のときに理科の実験で作った記憶や観光地の土産店で見た覚えがありますが、アートとしての万華鏡の世界は、それとはずいぶん異なります。

 

 もともと万華鏡は、1816年にスコットランドの物理学者デヴィッド・ブリュースター卿によって発明されました。灯台の光が遠くまで届くよう、投光性能を向上させるために鏡の組み合わせを工夫しているときに、たまたま生まれたもの。

 

 これをヒントに、複数のガラス板を角度をつけて組み合わせて筒に入れた「カレイドスコープ」を発表すると、欧米でまたたく間に大評判になり、日本にも3年後には伝わったという話です。

 

 万華鏡は、たぶん日本人の感性と器用さに合うのでしょう。今、世界で一番進んだ万華鏡を作っているのは、日本人の作家さんたちだと聞きます。個性的にきらめきながらも、オイルに入ったオブジェクトがゆるやかに動く世界は曼荼羅のよう。

 

 外観や素材も凝っていて、部屋のインテリアになる素敵なオブジェもあります。展覧会の作品をブリュースター卿が見たら、その進化にビックリするはずです。

 

「それぞれの作家さんにファンがついていて、この人の作る万華鏡が欲しいと決めて、展覧会にいらっしゃるお客様が多くいらっしゃいます」と、ギャラリーの渡貫彩さんが説明してくれました。展覧会へは、はじめフラッと立ち寄っても、その後、リピーターになる方が圧倒的に多いそうです。

 

「一本の万華鏡をのぞいて、同じ模様に出逢えるのは、確率として約4億回に一度なんだそうです。ご覧になっている模様と一期一会と考えるだけでも素敵ではないですか」と熱心に語る渡貫さんからも万華鏡愛が伝わりました。

 

 なかには数十万円するものもあるのですが、自分へのご褒美として、毎年この機会に買う方が少なくないという「はまる」感じ、なんとなくわかりました。

 

 せっかくなので、ワークショップにも参加。人気の作家が直接教えてくれるまたとない機会です。自分の星座石をセレクトでき、繊細で美しい万華鏡が作れる「十二星座の万華鏡」。

 

 講師は鈴木明子先生。鏡を三角状に組み立てる角度の違い、ポイント数の違いによって、さまざまな表現があるそうです。真珠、ターコイズ、ムーンストーンなど、オブジェクトの石を選ぶのは、どんな模様になるかを想像できて楽しい。

 

 欲張って入れすぎ、最初は回しても動きませんでしたが、先生に直してもらい、大満足の万華鏡が完成しました。

 

「世界でひとつの万華鏡です。ぜひ朝晩、のぞいてみてください」と、鈴木先生が仰いました。「のぞく」という行為自体、ワクワク感が増幅しますが、実は万華鏡は心にも効くのだとか。

 

 前述した香川千幸さんの師匠で、日本を代表する万華鏡作家の山見浩司氏の著書『心と体が軽くなる 万華鏡 DVDブック』には、医療の現場でも万華鏡の癒し効果が認められていることが記されています。ストレス緩和、心と体の回復、高齢者施設での認知症予防などに万華鏡が使われているのだそうです。

 

 思わず時間を忘れて心躍らせる不思議な世界。来年もまた万華鏡展に来てしまうだろうなぁと思いながら、会場を後にしました。

 

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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