「私、30歳から42歳くらいまでの記憶が一切ないですから。もともとは主婦希望だったし、社長なんかやる気はなかったのが、20代後半で事務所を立ち上げた。私はいつも反対の方向へ行っちゃうんですよね」
爆笑問題が所属する「タイタン」の名物社長にして、太田光の妻である太田光代さん(52)。デビュー間もなく大手事務所を辞め、仕事がなかった2人をプロデュースしてきた。
「自分たちがすることで精いっぱいなんですよ、2人は。でも言われてパッとできるタイプだから信頼しているんです。ある程度の組み立ては、私と制作スタッフで、途中太田に相談しながらやります。決まったところで田中に伝える。この流れは昔からです。
ただし、お笑いのネタ作りには、私は一切手を出しません。お笑いDVDを出すとき、100近くあるネタのどれを切るかは、私にまかせられていますけど」
2人を走らせる手綱さばきは見事だ。
「私以外にも彼らをハンドリングできる方はいるでしょうけど、難しいと思います。太田はもちろん、田中も。この前、田中がインフルエンザの検査を受けたときにいろいろあって、喧嘩になって。腹立ってもう辞めてやろうかなと思った。次の日に『みっちゃん、ごめんね』なんて謝ってきますけどね」
でも、タブーぎりぎりの2人には全幅の信頼を置いている。
「長年生放送をやっているし、ぎりぎりの線はわかっている。収録は編集があるし、番組を盛り上げることが必要。たとえば『爆報! THEフライデー』は、大変な介護とかの問題を取り上げる。重くなりがちなスタジオの空気を、2人が明るくしている。2人はプロ。そのへんの力は誰より持っています」
太田と結婚した3年後に事務所を立ち上げ、23年。
「太田は太りました。中年太り。1年前にたまたま着替えてるところを見てしまって、『なにそれ?』って言ったら、サプリが届いていました。最近は私が、ホットヨガに誘っているんです」
来年には結成30周年を迎える。太田の発案で、デビュー以来となるコントライブの構想もあるという。
「先日、太田に『私には楽しいことがない!』と私が言って大喧嘩。一緒にディズニーランド行ったのは2年前。食事に行ったのも半年前。私、こんな仕事しているのにハワイも行ったことない。普通ありますよね。もういいです……。そんなんですよ、ウチの事務所は」
やっぱり爆笑社長も、毒舌だった。
おおたみつよ '64年7月6日生まれ 東京都出身 タイタン代表取締役社長。'90年9月に太田光と結婚。かつては「松永光代」の名前で、楠田枝里子の真似が得意な芸人だった。
(週刊FLASH 2017年2月14日号)