優れた制作活動を行った個人やグループを表彰している「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’16/第22回AMDアワード」(主催: 一般社団法人デジタルメディア協会)が13日、都内で行われた。
この日の最高賞にあたる「大賞/総務大臣賞」には、昨年4月に「ニコニコ超会議2016」で上演された新作歌舞伎『今昔饗宴千本桜』が選ばれ、主演を務めた中村獅童が受賞した。
獅童がバーチャルシンガーの初音ミクと共演した最新のハイテク舞台は、新作歌舞伎として史上初のインターネット生放送も行われ、16万人が視聴したという。
獅童も「デジタルと歌舞伎の伝統が融合するかどうか不安で、我々としてもチャレンジでしたが、なんとか融合できてよかったです。でも、客席にペンライトが揺れているのは、初めての経験でした」と、超歌舞伎という新しいジャンルを開拓した自信を語った。
さらに獅童は「亡くなった(中村)勘三郎兄さんに『お前は歌舞伎を観たことがない若者を振り向かせることができる男なんだよ』と15年前に言われ、その言葉が今でも胸に残っております。肝に命じて、これからも日々精進していきたいです」と、改めて歌舞伎界への尽力を誓った。
と、ここまでは授賞式の優等生的発言。その後に行われた囲み取材では一転、リラックスムードに。インタビューの準備が整うまでマイクを持ってスタンバイしている私に、獅童が珍しく声をかけてきた。
「今日はカジュアルな服装じゃない、どうしたの」
「確定申告をやっていて、そのまま飛び出してきました」
「自分でやっているの、それは大変だね。すぐ、帰らなきゃ。え? 提出してきた。じゃあ、安心だ」
そんなやり取りをしている間に、カメラの準備ができ、囲み取材が始まった。
授賞の喜びを一通り聞いたところでプライベートな話を。
「ホワイトデーは何かプレゼントを?」と尋ねると「バレンタインデーにケーキをもらったので、何かお菓子を考えているよ」とお返しを明かした。
続けて獅童は「結婚してから甘党になりましたね、女の人って何かと甘いものが好きじゃないですか」と優しい笑顔。私が「あら、それは奥さんの影響ですか?」と聞き返すと「完全にそうですね」と再びの笑顔。一般女性と結婚して2年が経ってもまだまだラブラブ状態だと明かした。
さらに続けて「二世? いずれできたらいいな、あんまり焦ってもしょうがない。でも、焦らないと僕も45歳だからね、頑張ります」といつになく流暢なお喋り。
男は仕事に充実感や自信があると、突然、愛妻家になる。妻の話題に触れることを嫌がらないものだが、ここまで、むしろ自ら進んで話しだすのは、ん? 何かある? と、私のアンテナがピクピク動き出した。
しかし、アンテナの答えはすぐには出そうもない。