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マンション建て替えに必要なお金は平均1900万円…「廃墟マンション」を防ぐ3カ条とは/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

芸能・女子アナ 投稿日:2023.02.26 16:00FLASH編集部

マンション建て替えに必要なお金は平均1900万円…「廃墟マンション」を防ぐ3カ条とは/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

日下アナ(左)と花房さん

 

 日本中で「空き家」が問題になっていますが、その半分以上がマンションなどの共同住宅です。いまでは都市部にも「廃墟マンション」が急増しているそうです。

 

 1953年から1955年、第1次マンションブームが起きました。1963年から1964年には、東京オリンピック景気に刺激を受け、第2次マンションブームがありました。現在、築40年を超える物件は全国で115.6万戸(総数の約17%)、築50年を超える物件は21.2万戸も存在しています。

 

 

 マンションが老朽化したら大規模修繕が必要になりますが、全体の3割に及ぶマンションで修繕積立金が不足しているとも言われます。お金がなければ、そのマンションはいずれ廃墟になってしまいます。

 

 みなさんの家を「廃墟マンション」にしないためにはどうしたらいいのか、マンション建替え研究所の花房奈々さんにお話を伺いました。

 

――マンションは、築30年を超えると、大規模修繕か建て替えかを選択することになると思いますが、どのように判断すればいいのでしょう?

 

「建て替えの目安は、単に築年数だけでありません。当然ですが、管理の状態によっても異なります。個人的な印象ですが、1980年以前に供給されたマンションの多くは、分譲当時、マンションを適切に管理するという意識が希薄だったため、結果として劣化が激しい物件が多いようです。

 

 建て替えは、築40年以上のマンションが多いですが、主な理由としては、以下の6つです。

 

(1)漏水など建物の不具合が顕著
(2)耐震性が不安
(3)エレベーターがない
(4)バリアフリーの欠如など社会的老朽化
(5)修繕や改修よりも経済的に見て合理的
(6)地震で被害を受けた

 

 1990年代半ばくらいから長期修繕計画の作成が一般化されたため、最近の物件では、修繕積立金の額が適正な水準に近くなっています。

 

 一般的に築15年を超えると、以降は節目の年に大規模修繕をおこないますが、築30年、40年の物件ですと、修繕に大きな予算をかけても、10年後に建て替える場合も出てきます。ですから、無駄に修繕費を出すより、建て替えのほうが合理的なケースもあることを知っておいてください」

 

――建て替えは、実際にはどのくらいお金がかかるのでしょうか?

 

「データによると、1戸平均1900万円ほどです。この負担は大きく、住民(区分所有者)の5分の4以上の賛成が得られずに建て替え決議が成立しないケースもあります。

 

 その場合、敷地や容積率に余裕があるなら、隣接地を一緒に取り込んで建て替えれば、床面積(戸数)を増やせるので、負担を抑えることが可能です」

 

――花房さんの研究所が担当した物件で、建て替えが難航したケースはありましたか?

 

「はい。2009年、老朽化による建て替えが討議されたものの、床面積を大幅に増やすことが難しく、否決されたケースがありました。しかし、2011年の東日本大震災後、『特定緊急輸送道路沿道建築物』への助成を利用して、2014年に建て替え決議が可決されたことがあります。

 

 また、建て替え決議が成立したにもかかわらず、2008年のリーマンショックにより計画が頓挫したこともあります。このときは、2010年に新たなコンサルタントを選定して合意形成を進めた結果、2012年に建て替え決議が成立しました。

 

 現在は『マンション建て替え円滑化法』があるため、以前よりは建て替えしやすくなっています。それでも、工事費の高止まり傾向が続いているため、建て替え決議時点と情勢が大きく変わり、工事着手を見送らなければならないケースも出ています」

 

――中古マンションを購入するときは、築年数と管理状況をしっかり確かめなければいけませんね。

 

「そのとおりです。最近は、新築マンションの値段が高騰しているため、若者がリノベーション済みの中古マンションを購入するケースが多いのです。しかし、改装にお金をかけて高額のローンが残っているにもかかわらず、大規模改修や建て替えの時期を迎えてしまい、手元に余裕資金がなくて困っているという話をよく耳にします。ダブルローンにならないよう、しっかり確認してください」

 

■あなたの住宅を廃墟マンションにしないための3カ条

(1)建物の現状を知ろう
(2)みんなで総会に出よう
(3)知識が足りない部分はプロの知恵を借りよう

日下千帆

1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

( SmartFLASH )

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